16 学生って大変よね

「いーい?二人とも。これから私の前で 昨日みたいなマネしたら、友達辞めるから」

次の日 二人を前に言い切った。それでなくても 生活習慣改善中で学校生活に疲れているというのにアホを相手にしてなんていられない。そのうえ増殖なんてしたら……

――いっそ はば学に転校しようか?

そしたら会いたかった葉月珪にも会えるかもしれないのに。
なんで こっちでこいつなんだと思わずにはいられない。
その後 昨日のお礼をしないとなんて思ったんだけど、よく考えたら志波がどのクラスなのか知らない。
全部のクラスを探すのは面倒だし。いつかはどこかで会うだろ。たぶん。このまま3年間会わないなんてないはず。

お昼休みは はるひとあかりちゃんと3人で教室。

「ほんま昨日は面白かったわ〜。あれからどうなったん?」

「私は 面白くなかったんだけど?」

「鈴香ちゃん ごめんね〜?でも 一番最初の友達を取られちゃったらイヤなんだもん!」

「取られるって……。なんか勘違いしてない?」

そもそも あかりちゃんの取られるの基準がイマイチ分からない。深読みして 佐伯を取られると思ってると解釈した方がいいのだろうか……

「アタシさ。あかりは百合なんかと思ったわ」

「――ぐっ!――」

卵焼きを口にほうり込みながら ものすごい事を言うはるひに、飲んでいた缶コーヒーを噴きそうになる。

「だっ 大丈夫?! 鈴香ちゃん?」

「だっ 大丈夫。ありがと。はるひ 冗談止めてよ」

「そんな事言うても 昨日のは 誰が見てもそうやんか〜!」

まぁ そう見えるよね。私も ちょっと思って焦ったし。

「そんなんじゃないよ〜?鈴香ちゃんって綺麗ではっきりしてて憧れちゃうんだよ。だから 近くにいたいの。」

「……似たようなもんやん。それ。まぁ 分からん事もないけどな?鈴香 クールやしな カッコええよな?」

「そうでしょ〜? はるひちゃんも思うでしょ?」

この2人の目には かなり美化された私が写っているようだ。高校生活も2度目ともなれば そう毎日騒ぐ事もないしね。

私に憧れたりなんかしたら まともな大人にはならないよ?きっと。
なんて事は言えないから 知らない顔で購買のクリームパンを頬張った。

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