11 学生って大変よね

こっちに来る前に男と別れてたとはいえ、そんなにご無沙汰じゃないはずなんだけどな……。こっちに来て1ヶ月。うん。合わせてまだ2ヶ月くらいだ。
まだそれだけしかたってないのに、自分から求めるってどうよ。
解いていた髪を結びながら考える。

「……お前ってさ……。そういう経験あり……なわけ?」

「は? なんの?」

「だからっ ……キスの先……」

……キスの先……?
……あぁ! やってるかやってないか!

無駄に回りくどいって。はっきり言えばいいのに。
今の私は15。と言うことは………

「大丈夫! まだ経験なし!なはず」

「なんで ハズ なんだ!」

「ま その辺りは企業秘密で」

「またかよっ!!」

「あ!次の授業始まる!ほら!行かないと!」

そこら辺は 正確には答えられないからさ。
見た目だけ戻ってるのかもしれないし。
元は23ですなんて なおさら言えないし。

しかし ヤバイよね。
自分で事故チューイベント起こすって……
あかりちゃんが終わったからかなり油断してたよ。これは絶対 あのシート関係ないよね。

それにしても…… こいつの感触よかった。どうせなら 起きてる状態で堪能したかったよね。それに あれだけ好きな味なら他はどうなんだろ……

そこで我に返る。
いかん いかん。親父思考だ。それに犯罪 犯罪。相手も私も高校1年生。あと 今でもウザイんだから やったら確実にアウトだ。
気分が高揚して 危ない考えになっている自分にブンブンと頭を振る。

「ど どうしたんだ?」

「ちょっと マズイ思考が降ってきてた」

「マズイ?」

「んー。かなりマズイ。女子高生にあるまじき親父思考」

「な なに?」


言ってもいいものだろうか……
まじまじと佐伯を見つめる。
うーーん。ま いっか。引かれた方が楽か。

「いや。キスの味って言うか 正確には唾液の味?が好みだったからさ。他はどうなんだろって思っただけ」

「だっ!だっ?! 他って?!」

「ちょーっと分かりやすくストレートに言っただけじゃん。まぁー 他ってのは 相性とかもろもろなんだけどー。大丈夫!もう襲わないから!安心して!」

真っ赤な金魚のような佐伯を廊下に押し出し保健室の鍵をかける。

「鍵返してくるから 先に教室行ってて!」

まだ パクパクと金魚のままの佐伯を残し 職員室へと急いだ。

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