08 学生って大変よね

ここからやたらと人魚を連発しだすわけだね。客観的に見れば 健気。当事者になったらウザイんだけどさ。

「まっ 頑張って!」

「……なぁ 気にならないの?」

「なにが?」

「その……。 俺が海野と……したの」

はっきりキスって言えばいいのに。回りくどい。

「そうねー 気になる!」

「ホントに?」

「うん! これからどうなるんだろって!」

これから 天然小悪魔ちゃんに骨抜きになる姿を客観的に見られるなんて!ワクワクするよ!

「……それってさ」

「あ! ごめん! 私が周りにいると変な噂たつかもだ!気になってた事も聞けたし 先に帰るね!じゃね!また学校でね!」

なんて事が この3連休前にあった。今は しつこいようだが6日の昼休み。
もう限界。私頑張った。休みボケした身体で遅刻せずに来た。もう表彰もの。……というわけで。

「あかりちゃん 私さ、次サボるから」

「ええっ。お昼ご飯は?」

「いらない。ちょっと寝てくる」

最近よくお邪魔している保健室に向かう。ここの先生 気さくで話が合うんだよね。あまり生徒が来ないのか いつも静かだし。

「せんせー。ちょっと寝かせて?」

「また 城峰さん? いいけど 私今から学会なのよ。ちゃんと起きられる?」

「一応 友達に言ってきたから 大丈夫。帰って来なかったら 起こしに来てくれるでしょ」

「それならいいけど。放課後まで寝てちゃダメよ?鍵はいつものところね?」

「ん。わかった。おやすみ」

一番奥のベットが指定席。鍵をかける音を聞きながら制服を脱ぐ。こんな恰好じゃ眠れない。シワになるし。
壁にあるハンガーにかけ モゾモゾと布団に入る。全体的に病院臭いのがアレだけど、これでゆっくり寝られる。

先生がいないし鍵はかかってるし……もしかしたら 放課後まで爆睡決定かもとは思うけど、携帯もあるしなんとかなるでしょ。一応 アラームだけはセット。
枕の下に携帯を隠すあたり 起きる気は皆無なんだけどね。

やっぱり布団で昼寝は最高。天国って こんなところなんじゃない?遠くに聞こえる生徒の声がまるで子守唄かなんかに聞こえる……

あっという間に夢の中に落ちた。

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