07 学生って大変よね

どうして学生って大型連休じゃないの?細切れで学校なんて……眠いじゃない。

今日は 5月6日。
なんとか学校には来てるけど 相当眠い。
そういえば 事故チューイベント。あかりちゃんはめでたく 白髪……佐伯とだったらしい。

あれは2日の日。朝から何となくあかりちゃんの様子がおかしかったから、昼休みは二人だけでご飯を食べてさりげなく切り出した。

「そういえばさ。あかりちゃんって自己紹介シートの好きなタイプって、優しくてカッコイイ人って書いた?」

「すご〜い! 鈴香ちゃんよくわかるね!」

「まぁ。なんとなく。じゃあ 昨日佐伯とキスしちゃった?」

「――!!! なんで知ってるの?!」

「まぁ その辺りは企業秘密なんだけど。そっかぁー なるほどね」

「ホント事故なの! だから黙ってて!ね? 鈴香ちゃん!!」

「大丈夫。言わない。言わない」

誰にも言うわけないじゃん。女の子からしたら 大変な事だし。でも 楽しいからあいつには言ってやる。

目の前を歩く あいつには――

どことなく落ち着かない態度。明らかに動揺してる。あれでプリンスを演じてるつもりなんだ。って言うか あれを誰もが素だと思うのがおかしいけど。
私に気付いてないので 気配を消してそーっと近づく。真後ろまで来ても気付かない。
ここまで鈍感だから 簡単に女の子に囲まれるわけだ。納得。
どうやって驚かせようか……いろいろ考えてみる。

あ!この反応はどうだろ。

背伸びをして 耳に息を吹きかけてみる。

「うわーーっ! な な なんだよ!!!」

「……そこまで驚くかな」

「驚くに決まってるだろ!!」

多少敏感になってるとしても、その驚き方はちょっとねー。

「ま。いいじゃん。一緒に帰らない?」

「……ウザイんだろ?」

「うわっ。拗ねてる!」

「ちがう!!」

「じゃ いいでしょ? 聞きたい事あるし」

聞きたい事?と不思議がる顔をスルーして背中を叩く。

「ほら。歩く歩く」

「聞きたい事って何?」

「単刀直入なんだけどさ。あかりちゃんとキスしたでしょ?どうだった?」

「な?! なんでそんな事!!!」

「その辺りは企業秘密。で、どうだった?」

「ど ど どうだったって?」

「いろいろあるでしょ! この子いいなぁとか。好きになりそうとか」

「いきなり思うわけないだろ!ただ……昔会った子だって思い出した」

おぉ! ゲーム通り! ここから こいつが盛り上がっていくんだ!

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