どうして学生って大型連休じゃないの?細切れで学校なんて……眠いじゃない。
今日は 5月6日。
なんとか学校には来てるけど 相当眠い。
そういえば 事故チューイベント。あかりちゃんはめでたく 白髪……佐伯とだったらしい。
あれは2日の日。朝から何となくあかりちゃんの様子がおかしかったから、昼休みは二人だけでご飯を食べてさりげなく切り出した。
「そういえばさ。あかりちゃんって自己紹介シートの好きなタイプって、優しくてカッコイイ人って書いた?」
「すご〜い! 鈴香ちゃんよくわかるね!」
「まぁ。なんとなく。じゃあ 昨日佐伯とキスしちゃった?」
「――!!! なんで知ってるの?!」
「まぁ その辺りは企業秘密なんだけど。そっかぁー なるほどね」
「ホント事故なの! だから黙ってて!ね? 鈴香ちゃん!!」
「大丈夫。言わない。言わない」
誰にも言うわけないじゃん。女の子からしたら 大変な事だし。でも 楽しいからあいつには言ってやる。
目の前を歩く あいつには――
どことなく落ち着かない態度。明らかに動揺してる。あれでプリンスを演じてるつもりなんだ。って言うか あれを誰もが素だと思うのがおかしいけど。
私に気付いてないので 気配を消してそーっと近づく。真後ろまで来ても気付かない。
ここまで鈍感だから 簡単に女の子に囲まれるわけだ。納得。
どうやって驚かせようか……いろいろ考えてみる。
あ!この反応はどうだろ。
背伸びをして 耳に息を吹きかけてみる。
「うわーーっ! な な なんだよ!!!」
「……そこまで驚くかな」
「驚くに決まってるだろ!!」
多少敏感になってるとしても、その驚き方はちょっとねー。
「ま。いいじゃん。一緒に帰らない?」
「……ウザイんだろ?」
「うわっ。拗ねてる!」
「ちがう!!」
「じゃ いいでしょ? 聞きたい事あるし」
聞きたい事?と不思議がる顔をスルーして背中を叩く。
「ほら。歩く歩く」
「聞きたい事って何?」
「単刀直入なんだけどさ。あかりちゃんとキスしたでしょ?どうだった?」
「な?! なんでそんな事!!!」
「その辺りは企業秘密。で、どうだった?」
「ど ど どうだったって?」
「いろいろあるでしょ! この子いいなぁとか。好きになりそうとか」
「いきなり思うわけないだろ!ただ……昔会った子だって思い出した」
おぉ! ゲーム通り! ここから こいつが盛り上がっていくんだ!
07 学生って大変よね