06 学生って大変よね

その後あまり構われる事なく連休に突入。ウザイ発言が効いたらしい。
せっかくの休みだからと また街を徘徊。公園通りの雑貨屋で アクセサリーを大量買い。
今持ってるやつだと合わないんだよね。年齢と服装に。一応高校生なわけだし それなりのにしないとね。

ここまで来たからには探してみよう。

そう。あの『アルカード』。
本当は もっと早くに探したかったんだけど。
フラフラと歩いてると 案外あっさり発見。

なんだ こんなとこにあったんだ。
公園の入り口に近い場所。どうしてこの前気付かなかったんだろ?

そっか こっちが撮影スタジオのあるビルなんだ。ビルってほどでもないけど。ま。そんな事はどうでもいいから見学 見学。

ドアをそっと開けると 中からコーヒーのいい香り。パチリとマスターらしき人と目が合う。30代後半ってとこかな?
落ち着いた雰囲気出してるけど 目が若い。

「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」

ここはやっぱりカウンター。
せっかくだし 店の雰囲気味わっちゃわないと。
早速メニューを手にとる。

…………やっぱりモカだよね。

いろいろ気になる銘柄があったけど 最初はこれから飲んでみないと。

「すみません。モカ1つお願いします」

「かしこまりました」

なんだか結構 無口っぽい?そういえばゲーム上でも ちょっとしか出てこないし。
でも 結構凝ってるんだよね。飾り棚にあるグラスとか シロップ類とか……

バールみたいな感じ。

このゲームって コーヒー好きなスタッフいるんだろうか?
次は来たらエスプレッソ頼も。最近 はまってたんだよね。だいたいは 某大手チェーン店だけどさ。

「お待たせいたしました……」

「あ。ありがとうございます」

う。なんかやりにくい。こっちに来てから やたらと人懐っこいのばかりだったから。普通はこんな感じなんだけどさ。

気を取り直して カップを取る。爽やかで香ばしい香り。一口飲めば ちょうどいい酸味。まろやかな甘味がきて 最後に残るのは豊かな香りと後をひく苦味。

「わ。おいし」

珊瑚礁といい どうしてこんなに美味しいんだろ。ここまで高確率で 当たりに出会った事なんてないよね。

……となると、他の喫茶店も?うわっ 気になるじゃん!

最後の一口まで堪能し 満足して店を出る。最後にマスターがにっこり笑って見送ってくれたけど なんだったんだろ?

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