03 学生って大変よね

「ここ あかりちゃんに教えてもらった店じゃない」

「こっちの方が絶対旨い。行くぞ」

引っ張られ店に入る。たしかにいい香り。それに種類多い。まったく分からないけど。チョコって コンビニでしか買わないし。

「何がいいんだ?」

「何って言われてもさっぱりなんだけど。とりあえず、ガツンとお酒が効いてるやつがいい」

「なんだそれ? じゃあこれは?ウォッカが効いてるぞ?」

「ふぅん。じゃあそれでいい」

とりあえず 白髪……じゃなくて佐伯のオススメの ウォッカ入りとブランデー入りを購入し店を出る。

「なんか分かんないけど 選んでくれてありがとう。じゃ」

今度こそ帰ろうと軽く頭を下げ クルリと背を向ける。「待って」の声と 手を掴まれるのは同時だった。

「……今度はなに?」

「前に言っただろ。コンタクトの礼。まだなんだけど」

「このチョコ教えてくれたのでいいよ。面倒だし、美味しそうだし、面倒だから」

「なんか2回聞こえたんだけど……とにかく 俺の気がすまないから今から店来て!」

だからいいって。ホント面倒なんだから!私の叫びは聞こえないのか、白……佐伯は人の手を離さず歩いていく。

「ちょっ 何処に行くのよ!」

「何処って コーヒー飲ませるって約束しただろ?」

こら!いつから約束に昇格したんだ。あんたが叫んでただけでしょーが。ホントに約束好きだな!

結局ずるずると連れて行かれ、着いた先が『喫茶 珊瑚礁』まだオープン前らしい。

「じいちゃん! この間話した子連れて来た!」

勢いよく店のドアを開け 中に向かって叫ぶ。ガランともギャランとも形容しがたい音が鳴り響いている。

ドアベルが 悲鳴を上げてるよ……それに 話したって何話したのよ。こいつと居るとなんか疲れる。

大きな溜め息をつくと、中から髪の色だけ似てる紳士が出て来た。

「これ!瑛。大声を出さなくても聞こえているよ。これはこれは……美しいお嬢さんじゃないか。さぁ どうぞ?」

ここにもフラグ?……な訳ないか。仕方がないのでとりあえず店に入る。
ふーん。落ち着いた店。ゆっくりくつろげそう。

「好きなとこ座って? じいちゃん!珊瑚礁ブレンド!」

「はいはい。じゃあ ちょっとお待ち下さいね?」

「はあ……」

飲ませてやるって自分が淹れるわけじゃないの? ……なにそれ?

もう 何から何まで面倒な気分なんだけど仕方なくカウンターに座る。
なんか 階段駆け上がって行ったけど まぁ どうでもいいや。

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