01 学生って大変よね

学生って大変よね……

毎朝起きなくちゃいけないんだもの。
まぁ 社会人もそうなんだけどさ。
私の場合 ダメな社会人の見本みたいなもんだからさ……

入学して かれこれ3日。何が辛いって 朝が辛い。まだサボってない。なんとか 奇跡的に。

この3日の間にまた一人友達が出来た。
西本はるひちゃん。よく話す女の子。
出会いは彼女からのナンパ。やっぱりこの制服は丈が短いらしい。

「めっちゃ 気合い入っとるやん! それにあんたもめちゃくちゃ可愛いし!」

と声をかけられた。
とにかく彼女はよく喋る。今 この昼休みの屋上でも絶好調のようだ。

「な!な! かっこいい男の子おった?」

「えっと。まだわかんないよ。
鈴香ちゃんはどう?」

「さぁ…… って言うか はるひは内部組でしょ。知ってるんじゃないの?」

「なんや ノリ悪いなぁ〜 まぁ人気ある子はおるで? ほら」

指差した先には 白髪頭……じゃなくて佐伯瑛。
あかりちゃんが ピキンと固まる。

「あれ プリンス言うてな〜 めっちゃ人気あるんやで?」

「ふーん。スゴイネ」

「あれ? 鈴香は興味なし?」

「うん。ない。あ! あかりちゃん このチョコすごっ!風味いい!」

「ホント? 結構お酒きついんだけど 鈴香ちゃん大丈夫?」

「これくらいなら平気。わー ホントに美味し。帰りに買おうかな……」

「……あんたら ホンマ興味ないんやな」

そうなんだよ。今興味があるのはこのボンボン。最近は ウィスキーだけじゃなく ブランデーやワインもあるんだ。
以前は 『こんなの酒じゃないじゃん!』って食べなかったけど 案外美味しい。ちょっといろいろ買ってみよう。
……なんかアル中みたいだけど。

放課後 あかりちゃんに教えてもらったチョコレート専門店に寄ろうと うきうきしながら校門に向かう。

女の子の人だかりを発見。
真ん中には 白髪頭…… いや。佐伯瑛。
これはアレか。なんとかイベント。もう名前さえ記憶なし。

その辺にあかりちゃんがいるんだろうか?

まぁ 関係ないからどうでもいいんだけど。
とにかく チョコチョコ!
気にせず隣を通過しようとする。この子達 ちょっと邪魔。

「城峰さん!」

ん?誰かに呼ばれた?
後ろを振り返ったら 隣で声がした。

「城峰さん。じゃあ帰ろうか?」

どうして〜? とか 私達の番でしょ〜?とか黄色い悲鳴の中、腕を掴んで歩き出す白髪。

なに?この状況!!
どうして 私がイベントの当事者になってるの!!って言うか 今いろんな台詞カットされてたでしょ!

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