14 はばたき市散策

ベランダでコーヒーを飲んでると、ちらほら学生の姿が見える。

―――あの制服 羽学生!

じゃあ そろそろ出発かな?
適当な奴に着いて行かないと。

出る前にもう一度鏡で確認。
お〜 なんか新鮮だ。
また 学生するなんて。
微妙にロリだけど。

外に出ると 舞う花びら。どこかの桜。
帰りたいって思ってたけど、こういう演出は気分がいい。
さすがゲーム。世界感がいちいち綺麗。

さりげなく 他の学生の後ろを歩く。
海岸通の あのY路地を右に向かって坂を上る。

……やっぱりこっちだったんだ。

学校って言えば 頂上だよね?やっぱ。
ダラダラだけど長い坂道。
足腰強くなりそうだ。

見えた学校は落ち着いた雰囲気。
校門を潜ると両脇には桜。プチ並木道。
花吹雪がなかなか幻想的。

玄関に入って渡り廊下から体育館に進むらしい。
入り口にクラス別けの掲示板らしきものが見える。

話し声が聞こえた気がして 視線を向けると あのイベントが始まりを告げていた。

屈折王子に連れていかれる ピンクのボブの髪をした女の子。後ろ姿だけど。

エセ王子を知らなかったら見に行ったんだろうけどな〜。
あのイベントを客観的に見たかった。
それに デイジーちゃんの顔見たいけど……

まぁ いいや。そのうち会うだろうし。

さて。自分のクラスの確認っと。

………B組。担任 若王子って事は……

あ。あった!海野あかり!早速会えるんだ!
後の女の子は……やっぱりいないか。
残念。そのうち会えるだろうけどね。

入学式は……かなり退屈で半分以上眠っていた。
こういう行事は久しぶりだけど、何処でも変わらないものなんだ。
来賓の名前を長々と読み続けるのも 校長の決まりきった台詞の数々も。

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