12 はばたき市散策

軽く二時間ほどお風呂を楽しんでバスルームを出ると、イライラと待つ光輝がいた。

「貴女 遅すぎます!いったい何時間入ってるつもりですか!」

「……女は長風呂なのよ?」

「あ・な・た・が長風呂なんです!」

「ハイハイ。そうでございますね」

まったく 奥さん気取りかって!バスタオルで頭をガシガシ拭きながらダイニングに入る。
テーブルの上には 美味しそうな料理が並んでいた。和食づくし。最近ご無沙汰。

「美味しそうじゃない。日本酒欲しいなぁー」

「ダメです。今は15なんですから。
貴女はオヤジですか!」

「いいじゃん。外で呑まなきゃ。って言うかさぁー つまんないから帰りたいよ。
ビール呑めないし、日本酒呑めないし、ワイン呑めないし、焼酎呑めないし、ウィスキー呑めないし、バーボン呑めないし………」

「ちょっと! お酒ばかりじゃないですか! それにまだ始まってもないのに!」

「だって〜〜」

「そこだけかわいこぶってもダメです」

「ちぇっ。もー ツマンナイ!」

乱暴に料理に箸をつける。
どれもこれも 微妙に酒の肴なんだよね。
あ。でも美味し。小料理屋とかやったら毎日呑みに行くのに。

「あのさー 美味しいんだけど、あんたホントにご飯作りに来ただけなの?」

「はい。あ!部屋の鍵返しますね。次回からは 呼ばれなきゃ出ませんから」

何?そのドラマの次回予告みたいなのは。そんなに呼んでほしいのか!

「じゃあ 私帰ります。また 何かあったら呼んでください」

ちょっと!作ったんなら片付けまでしなさいよ!片付けが一番面倒なんだからね!
それにこのテーブルいっぱいの料理を一人で食べろと?何日かかると思ってるの!
結局ほとんどの料理にラップをかけ 冷蔵庫に押し込む。二、三日は食べ続けなきゃ……

やっぱり あいつって使えない!!

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