11 はばたき市散策

疲れた……無駄な体力と気力使った……
それにしても 私高校生なんて出来るんだろうか……
いくら身体は15でも 頭と心は戻ってるわけじゃないもの。
これから 周りはみんな高校生……

うーん。ついていけないかもしれない……

………とりあえず 帰ろう。

ぬるめのお風呂にゆっくり入って、冷えたビール……は飲めないのか。

…………つまんないの。

こっちの世界に来た事を かなり後悔しながらマンションに戻る。
部屋の鍵を回そうとすると、開いている事に気付いた。

(ちょっと!あいつ忘れたのかしら?
空き巣にでも入られてたら ただじゃおかないんだから!)

万が一 泥棒と鉢合わせなんてシャレにならないから 勢いよくドアを開ける。
パタパタとスリッパの音を立て中から出て来たのは……

「お帰りなさい!」
「……どうして あんたがいるの!」

光輝は上着を脱いで エプロンを着けた姿で立っている。

「あぁ。サービスの一貫です。初日はお疲れになりますから、夕食作りをさせて頂きました。お風呂も沸いてますけど、どちらにします?」
「……なんなのよ その新婚みたいな台詞」

さらに疲れてがっくりと肩を落とすと、背中を押されてバスルームに押し込まれた。

「お風呂を先に入った方がよさそうですね。ゆっくり入って、疲れを落として下さいね。食事の準備をしておきます」

人の話聞いてんのか!と思うけど、なんか どうでもよくなってきた……

ダラダラと服を脱ぐとバスルームに入る。
まぁ いいかとバスタブに浸かると ぬるめでちょうどいい温度。
パンパンに張ったふくらはぎを揉みながらのんびりと入る。

………明日は絶対に筋肉痛だろうな……

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