17.

「……ッ…。」

ふにふにと確かめるように弄んでいた左手がいつの間にか離れ、体操服を手繰り上げていた。顕わになった背中に瑛くんの唇が這い、ぞくりと肌が粟立つ。さわりさわりと肌を弄る掌。背中からもお腹からも。それだけで小さく漏れる声を殺して耐える。

「ち…ちょ…。ダメだっ…。」

「いいから…静かにしてないとバレるぞ?」

「でも、こんなとこ――んッ…!」

私の身体で挟む瑛くんの右腕がぐいと深く伸ばされ、ズボンの腰から突っ込まれた指先が下着の中をまさぐる。背中を撫でていた左手も腰に伸ばされ、下着ごとズボンを腿に下ろされていた。
暗闇でしかも密着した状態では見えないだろうけれど、ほとんど半裸の状態なのだ。

「いいかね?君たちはもう高校生だ。分別というもの―――。」

「………ぁ…。だめ…ッ。」
「なんかさ…興奮する…。」
「そんな…んッ…。」

茂みを掻き分け私の敏感な場所を探し当てる指先と、お尻を撫でていた掌がぴたりと止まり、中心を擽る。
聞こえてくる先生の声。布団の中という密閉された空間が瑛くんの興奮を呼ぶのか、息が荒く声色もいつもとはまるで別人のようだった。そして、それは私の身体にもいえた。背中に、首筋に吐きかけられる熱い吐息。身動きが取れない声も出せない、そんな制限が反対に神経を過敏にさせる。

「すご…。あかり…濡れてる…。」

「…い…わない…で……ッ…!」

確かめるように触れた指先が前後に動く。そこを何度も往復されるだけで瑛くんの指先は蜜を纏い私の肌を滑り出し恥ずかしいほどにその部分を濡らしている。嬉々とした、息を漏らす囁きは身体の変化をはっきりと自覚させるものでたまらず瞼をきつく閉じた。

ぴたりと押し当てられた指先が角度をつける。ゆっくりと、でも確実に瑛くんの長い指が閉じた壁の隙間を割るように私の中へと入っていくのが分かる。

「………ん、…ッ…。」

いつもより強い違和感と圧迫感は向きが違うからなのか。微かな痛みのような感覚に無意識に身体に力が入るものの、押し広げるように回りゆっくりと始まる指の律動が圧迫感から快感を伴う感覚に少しずつ変わっていく。

「は……ぁぁ…ッ。」

吐き出す息に混ぜてしまいそうになる自分の声。その原因である擦る右の指先の甘く痺れる刺激に腰を引くと、左の指が私の身体の奥を貫く。
どっちにも動けないどころか、益々瑛くんの指先が私をいたぶる。いつもよりも強引なのに視界を遮った私の身体が過敏に反応していった。

「ぁ…ぁ…、は…ん…ッ…。」

身動も出来ずされるがまま、強まる刺激に漏れてしまいそうになる声を抑えるため手がシーツを手繰り寄せる。布団に隠れていた枕がずると引き寄せられておでこに触れ、それを抱き寄せ顔を埋めた。
枕の中に自分の声と熱い息が吸い込まれていく。敏感なそれを押さえた指先の動きは早まり、私の中を疼かせ潤す。全身が痺れたような甘くも強い感覚が廻り、強く閉じた瞼の裏側と頭の芯に強い光りが小さな球体になっていった。



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