episode11
ああんっ!お姉様なお兄様ともっとお話したかったのにっ!
と、嘆いていると、今度はかっちりとスーツを着たお仕事帰りのサラリーマンが現れました。
顔を隠している訳でもありませんし、ウィッグを被ったりしているわけでもありません。
…どこからどう見てもお父様です。
「こんばんは、お嬢さんたち。どうしたの?道がわからないのかな?」
「あーっ!お父様ぁ!」
「こらゆっきー!」
本当のこと言っちゃだめでしょ!
つい「ゆっきー」って呼んじゃったじゃない!
口に出してはほとんど呼ばないのに!
「…可愛いお嬢さん、残念だけど僕は君のお父様じゃ…」
「お父様、どうしてここにいるの?」
「えーっと、僕は会社帰りのサラリーマンで…」
「…お父様じゃないの?」
優姫はうるっと瞳を潤ませました。
ちょ…!それは私の必殺技!!(ゆっきーのは天然100%です)
「…っ、ごめんよ優姫!お父様だ……ぶはぁっ!」
きゃーーー!!!
お父様…じゃなくてサラリーマンの人(?)が倒れたぁぁあああ!!
そして一瞬で消えたぁああああ!!!
何!?何が起こったの!?
もう一度スローモーションで再生してみましょう!
〜脳内スローモーション再生〜
ゆっきー涙目
「……お と う さ ま じ ゃ な い の ?」
お父様、ノックアウト
「…… っ 、 ご め ん よ ゆ う き ! お と う さ ま だ ……」
優姫の涙目にほだされてお父様だと自白しようとした瞬間
シュッ!!
ものすごい速さで竹槍が飛んできて
「……ぶ は ぁ っ ! 」
お父様を突き刺したぁああ!!
そして倒れたお父様をぉぉぉ
お姉様なお兄様が回収した!!
えっ!?なにゆえ竹槍!?
そんなのどこにあったの!!?
そしてお兄様はやっ!マッハ!音速!
竹槍ごとお父様を抱えて行ったよ!
―6/8―
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