とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode10


こぢんまりしたパン屋さんに近づけば漂ってくる香ばしい香り。
んー、焼き立てのパンの香りって大好きー。
扉を開ければカランカランと音がしました。


「いらっしゃいませー。あら、二人でおつかい?」


お店に入ると愛想のよいおばさんがいました。


「そうなの!おつかいなんです!」


張り切るゆっきー可愛ええなー。
よし、私は黙って見守ってるから一人のお買い物やってみよう!


「お利口さんねぇ。何を買いに来たの?」

「えーっと、えーっと…」


頑張れゆっきー思い出して!


「バスケット!!」


ちょっと待てwww
優姫、それ違うwww
バスケットじゃなくてバゲットだよバゲット!
いつも食べてるフランスパン!
どうしようお腹痛いwww


「バスケットねえ…。お嬢ちゃん、本当にそれを買いに来たの?」

「うん!お母様が言ったの!」

「うちには売ってないけど…。あらそうだわ、古い籠なんだけど、これじゃダメかしら」


そう言っておばさんがお店の奥から持ってきたのは少し古びた籐の籠。
ちょっ!実物を持ってくるなんてwww


「んー、パンがいるの」

「そうよねぇ。うちに買いに来たんだものねぇ。どんなパンが欲しいの?」

「サンドイッチに使うパン!」

「それじゃあ食パンね!」


おばさんはふっくらとした食パンを一斤差し出しました。


「おいくらですかー?」

「250円よ。お金は持ってきてる?」

「えーっと、にひゃく…?」

「50円よ」


優姫はごそごそとピンクのガマ口のお財布を漁りっています。

ゆっきー、百円玉を二枚と五十円玉を一枚出すんだよ!
どっちも銀色だから間違えないで!
と、心の中で応援しながらお姉ちゃんは成り行きを見守ります。
ここで教えちゃったら優姫のためにならないもんね!


―7/10―

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