episode10
「ねえ、優姫?粉屋さんの場所知ってるの?」
「知らないー」
ですよねー☆
だって優姫も私もこの街に自分達だけで来たのは初めてだもんね。
まあ花屋さんや八百屋さんが並んでるからこの辺りにありそうだけど。
ときょろきょろと周りを見渡しますがそれらしきお店はなく……
「(悠っ悠っ!あの子たち道に迷ってるわ!粉屋さんは反対の方なのにっ♪)」
「(娘たちの危機なのにどうしてそんなに嬉しそうなんだい?)」
「(お母様、僕が助けに行ってきます)」
「(枢!お前が行くなら僕も行く!)」
「(止めてください。伯父様が行ったら人さらいだと思われます)」
「(もうー、みんな、そんなことしたらダメよ!道に迷うのも勉強の一つ!)」
あー、なんか話してる。
でもちょっと遠くて聞きとれないのよねー。
というか!
サラリーマンと花売り娘とや○ざと綺麗すぎる女の子が一緒になってひそひそ話してたら目立つからね!
ほらっ!周りの人たちが何事かって集まって来てるし!
「ねえねえ珠姫!パン屋さんがあったよ!」
と、優姫が指差した先には紛れもないパン屋さん。
「本当だ。まずはパンを買おうか。そうだ!パン屋さんに粉屋さんの場所を教えてもらえば良いじゃん!」
「珠姫頭良いー!」
「ふふん、もっと言って」
―6/10―
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