episode10
おそろいのリュックを背負っていざ出発!
山道をずんずん下って行きます。
普通の子供の足ならきついけど、なにせ私たちは純血種!
これくらい朝飯前よ☆
「一人でお外を歩くのって初めてー!」
そうだねゆっきー。
お庭にお散歩に行くときも数名のメイドがついてるからね。
って私たちってつくづく箱入り娘なんだなー。
それも桐箱入りの超一級品。
「ねえ珠姫見て見て!ちょうちょ!」
「わぁー、綺麗なお花!」
「珠姫ー、こっちにダンゴムシがいるよ!」
蝶も花もダンゴムシも、もちろん屋敷の庭におりますが、初めての自分達だけの外ということで興奮気味のゆっきーには目に映る何もかもが目新しく見えるようです。
でもこの調子じゃ日が暮れちゃうなー。
私たちからすれば構わないけどお店がしまったら大変!
「ねえ優姫、ふもとまで競争しようか」
「いいよ!負けないんだから!」
よし!
これで街にはすぐ着くでしょう!
「位置についてー」
「よーい」
「「ドンっ!」」
そう言うやいなや、猛ダッシュ。
坂道なせいもあっていつもより余計に加速しております。
目の端を木々の影が過ぎる過ぎる。
推定速度120km/hってとこかなー。
ということであっという間に町まで着きました。
正規の道路は通ってないからね。
ほぼ一直線に下りて来たからね。
「優姫の勝ち―!」
その差は100mほど。
ゆっきー速いなー。
―4/10―
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