とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode10


リビングでの家族団欒にテレビが欠かせないのは人間も吸血鬼も同じこと。

その日も皆で仲良くある番組を見ていました。
それは某人気長寿番組「はじめてのおつかい」
番組が終わった後、ゆっきーが言いました。


「優姫もおつかいに行きたい!」


それはもうキラキラした瞳で
やっぱりねー、言うと思ったよ。


「いいわね!行かせましょう、おつかい!」

「おじたまも賛成だ!」


そしてああここにも…
優姫に負けないくらい目をキラキラさせた三千歳の吸血鬼が二人。
おじたまとお母様って結構意見が合うのよねー。

しかし不服そうなのは残りのお二方。


「僕は反対だよ樹里、もし何かあったらどうするんだい?」

「そうですよお母様、買い物ならメイドに行ってもらえば…」

「あら分かってないわね二人とも!いーい?ゴニョゴニョ…」


お母様はお父様とお兄様の耳に手を当て内緒話。
おじたまも聞き耳を立てております。
でも珠姫ちゃんのこの地獄耳にはしっかり聞こえておりますよ!
なになに〜?


「(もちろん私たちがこっそり尾行するのよ!そして二人の可愛い姿をいっぱい写真に収めるの!)」


なーるほどねお母様!
…グッドアイディア!!
私と優姫の成長記録が増えるという訳ですね!
そして私は尾行する殿方を逆に隠し撮りしてコレクションを増やせるわけですね!
一石二鳥!素晴らしい!


「それはいい考えだね樹里」

「でしょう?」

「ということで、決定だな!」

「そう言うことなら僕も賛成です」

「珠姫、優姫、明日の夕方おつかいに行って来てくれる?」

「はーい!」


お母様の言葉に私とゆっきーは元気にお返事しました。


―2/10―

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