とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode9


「そうだろう!叫ぶだろう樹里!!」

「悠っ!悠っ!ちゃんと見た!?」

「ああ樹里もちろんだよ!」

「なんて素晴らしいお辞儀なの!さすが私の娘達!」


感激したお母様にぎゅーっと抱きしめられます。
お母様…、嬉しいけど苦しいです。


「お…おかあさま…」

「くるしい…」

「樹里、ほら、二人がどんどん蒼ざめていってるよ」

「あらやだつい興奮しちゃって!」

「珠姫、優姫、二人とも凄いね。一日でこんなに立派なお辞儀が出来るようになるなんて、もう素敵なレディだ」


お父様はいつものよりさらにやわらかく微笑んで(当社比五割増し)私たちの頭を撫でました。

きゃああああああ!!!
お父様っ!その笑顔こそが素敵です!
微笑み+なでなでとかきゅんっってくるよねきゅんっ!って!!


「ああでも大変よ悠!カメラの準備をしていないわ!」

「それなら大丈夫ですよお母様。二人の優雅なお辞儀の瞬間はバッチリ収めましたから」

「さすがだね、枢」


お兄様いつの間に!
でもそれでこそお兄様!
お父様と以心伝心のように目配せしているのがもうっ…!
その光景こそカメラに収めたい!

それにしてもこんなに手放しで褒められるなんて・
頑張ったからなお嬉しいものです。
優姫と顔を見合わせてにっこり笑いました。


「桐野塚先生にお願いして正解だったね」

「本当!珠姫、優姫、明日からも先生の言う事をよーく聞くのよ!」


ロッテンマイヤーさんの名前を聞いて思わずぴくっと身体が反応しました。
けれどもキラキラしたお父様とお母様の瞳を見て私と優姫はコクンと頷くしかありませんでした。


「が…、頑張ろうね、優姫!」

「…うん、珠姫」


姉妹の結束力が深まったのは言うまでもありせん。


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―8/9―

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