episode9
二人で助け合いながらリビングへ行くと甘い匂いが漂ってきます。
疲れた後の甘い物って格別だよね。
すると廊下の向こう側から同じくリビングへ向かおうとしているおじたまの姿がありました。
「「おじたま」」
優姫と二人でちょこんとお辞儀。
うわお!六時間もやってたからね!癖になってるよ!
優姫も無意識だったらしくハッとしていました。
そしておじたまは…
「………!!!」
阿呆のように口を開けて胸を手で押さえています。
ん?どうした??
と思ったら私たちをすばやく抱き上げてリビングへ飛び込みました。
「悠ぁぁあ!!!樹里ぃぃい!!!」
「あら李土、またナイフを刺されたいの?」
「いや待てそれはちょっと待て!これを見たらお前も叫ばずにはおられまい!」
「どうしたんですかお兄様?」
「伯父様、珠姫と優姫を離してください」
「煩いよく聞け!!枢、貴様に言われなくても離すわ!珠姫と優姫がっ…お辞儀をしたんだ!!ほらお前達!もう一回見せてくれ!」
優姫と二人で首を傾げながらも、おじたまに言われるがままに何百回もやったお辞儀をもう一度。
背筋をまっすぐ保ちながらスカートを摘まんで片足をクロスさせるように後ろに引き清らかな笑顔で膝を曲げる!
すると
「きゃああああああああ!!!」
お母様が叫びました。
―7/9―
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