episode9
「おじたま、よしよし」
「よしよし」
「マイエンジェルズっ!おじたまはお前たちがいれば何もいら――ぐあっ!」
「李土、ちょっとうるさいわ」
投げたぁあああああ!!!
お母様がタルトを切ったナイフをおじたまの額めがけて投げました!!
素晴らしいコントロールです!というよりスプラッタです!
おじたまは噴水のように血を噴き出しながら椅子ごと後ろに倒れました!
"ちょっと"煩くしただけでこの仕打ち!
恐い恐いお母様恐い!知ってたけど!
「お父様、かてーきょーしの先生って何の先生?」
おでこにナイフが刺さったまま床に倒れるおじたまを見て震える私の隣で、優姫が何事も無かったかのように言いました。
ゆっきー、肝っ玉がすわっているというかなんというか…。
そのスル―スキルをお姉ちゃんも見習おうと思います。
「珠姫と優姫に語学や歴史や作法を教えてくれる先生だよ」
「とっても優秀な女性なのよ」
女性かー、良かった!
それならお兄様がやきもち妬いちゃうこともないだろうし。
それにこの世界のことってちゃんと学びたかったのよねー!
うん!楽しみ!
なーんて考えは甘かったのだと、私は後になって気付くのでした。
―4/9―