とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode8


「珠姫、優姫、何があったの?」


お兄様は心配そうに私たちの顔を覗き込みます。
ああやめて!今めちゃくちゃ変な顔してるから見ないでお兄様!


「まさか…!一翁に何かされたの!?」


お母様がハッとして言いました。

やめてお母様www
一翁の名前なんて出されちゃったらもう…っ
隣の優姫はふるふる震え出しちゃってるし!
きっと傍から見たら泣いてるように見えるんだろうね私たち!
でもそんなんじゃなくってよお母様!
ああでもお腹が痛くてまともに喋れない!!


「あのね……、一翁…がねっ…」

「おへやで…っ、寝ててね……」


途切れ途切れの私たちの言葉に聞き耳を立てる四人。


「なにしても…起きな…かった…から…っ」

「珠姫と……ふたりで……」

「一翁の……眉…毛を……」

「……ぜんぶ」


「「剃ってきたの」」


絶え絶えにそう言っていつも常備してるカメラで撮ったデータを見せました。
そこには安らかな顔で眠っている、眉がない一翁。
ちなみにお部屋に活けてあった花をあたりに散らして手を胸の上で組ませてみました。

ああもうだめ。
我慢できない。


「ね…、珠姫…もう…いい?」

「いい…よ…。く…っくふっ」

「ぶ…っぶはっ」

「「あーっはっはっは!!!きゃははははっ」」


決壊したように笑い出す私たち。
我慢してた分、止まらない
どうしよう腹筋捩れる!!


「きゃーはっはっはっは!!何これー!!」

「樹里…っ、くくっ、僕にも…見せて…っ」

「……―――…はっ、あはははははははっ!!」

「……(おじたま死亡)」


屋敷に帰るまで車内に笑い声が絶えることはなく。
やっと正常な呼吸に戻ったお母様から「さすが私の娘達☆」と素晴らしい笑顔でグッジョブサインを貰ったのでした。


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episode9 6歳:家庭教師編
―5/6―

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