とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode1


頭よりも先に体が動いていました。
一時たりともそのコミックを手放したくないという本能でしょうか。

私は迷わずホームの床を蹴り、思い切り線路内へとダイブしました。
そして紙袋を素早く空中でキャッチし華麗に着地を決めた、
その目の前には――――


――――迫りくる快速電車


しぬ

死ぬ

これは確実に


状況を判断した脳みそはフル回転。
これを走馬灯のよう、というのでせうか……。


電車―!!電車―!!!
確実に轢かれるよねこれ!?!?
そしたらスプラッタ……キャ―――!!!
そんな死に方はヤダ――!!!
てか今死んだらこのヴァン騎士読めないじゃん!!
半年待ったのよ!!?
それは困る!!
死んでも死にきれねーよっ!
命をかけてヴァン騎士を守ったのに!!
こんな仕打ちはアリですか!?
ゆーれいになったらマンガ読めないじゃん!!
ヴァン騎士の結末を見ずに逝くのはイヤだぁぁぁぁぁ
逝くのならっ

どうせ逝くのなら

めくるめく妄想の世界に

いきた…か……た…………



そこで私の目の前は真っ暗になりました。


―2/5―

|
[back]

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -