episode7
「ふふふ、僕の姪っこ達は可愛いだろう、一翁」
「李土様のお話に違わず愛くるしい姫様方で」
「珠姫と優姫の初めての言葉は『くるくる』なんだぞ」
「ええ、李土様。そのお話はもう278回程お聞きしました」
「じゃあ279回目を聞け」
本当に仲が良いんだね、おじたまと一翁。
元老院って今の吸血鬼社会を統率してるんでしょ?
…そのトップがこんなんで大丈夫なのか?
「大旦那様、お話ならあちらの応接室で」
一条家の執事さんが一翁に耳打ちしました。
そうね、まだここエントランスだよ。
「これは大変失礼いたしました。どうぞ皆様、奥の部屋へ」
んー、もう帰りたいんだけどな☆
「枢様、珠姫様、優姫様、お若い方々には私の孫息子にお相手をさせましょう。拓麻、ここへ」
……ん??
今何て言った一翁??
とっても素敵なお名前が聞こえた気がしたんだけど!!??
「はい、お祖父さま」
一翁に呼ばれて、奥から金髪の美少年が姿を現しました。
キラキラ王子ぃぃいいいいい
はっっっけぇぇぇええんん!!!
拓麻だ拓麻だ一条さんだぁぁあああ!!!
サラッサラの金髪がシャンデリアに照らされてキラキラしてるよ!
エメラルドグリーンの瞳もキラッキラしてるよ!!
さらにまだあどけない顔立ち!
ショタショタ!ショタ拓麻!!
なんだこのリアル王子!!
白いタイツを履かせたいっ!!
白馬に乗って迎えに来ておうじたまぁぁあああ!!
「久しぶり、一条」
「久しぶりだね、枢。この二人が君の妹たち?初めまして、珠姫ちゃん、優姫ちゃん!僕は一条拓麻です。よろしくね」
にこって笑った!
拓麻がにこぉって笑った!!
ねえ一翁!あんたの孫の方が愛くるしいんですが!!
やっばい少年拓麻可愛すぎるぅぅ!!!
てら萌え!!!がああああああああ!!!
はっ!そうだわ初対面!!
第一印象は大事ですよね!!
ここは120%増量のスーパー珠姫ちゃん☆エンジェルスマイルでびしぃっ!と決めておかなくちゃっ!!
「はじめまして拓麻さん。玖蘭珠姫です」
「た…拓麻でいいよ!」
「じゃあお言葉に甘えて。よろしくね拓麻!」
いやん♪
拓麻少年の顔が赤いわっ!
赤くさせたのはだあれ?
それはきっと私!!!
やったぜ掴みはバッチリ☆イエス!!
どうぞ私に惚れてちょうらいっ!
あらやだ、お兄様の黒い視線が痛いわジェラシービーム!
むふふふふふ!!
「珠姫様、優姫様、甘いお菓子はお好きですか?たくさん用意させましたのでどうぞ二階へ。…拓麻、ご案内してさしあげよ」
「お菓子ー!」
グッジョブ一翁!
さっき帰りたいとか言ったけど取り消しね!
ゆっきーもこんなに喜んでるし!!
可愛いなぁもう!!
―4/7―