episode7
「私、やっぱり嫌よ」
「樹里、もうここまで来てしまったんだから…」
「だって悠…、あの子たちを一翁に会わせたくないわ」
「僕もあまり乗り気ではありません、お父様。珠姫と優姫に社交界はまだ早すぎるんじゃありませんか?」
「今日はそんな堅苦しいものじゃないよ、枢。ただの顔合わせ程度だから。気楽な気持ちで来てほしいとあちらも言っていることだしね」
わーお、車内はちょっと宜しくない雰囲気です…。
私たちが知らなかっただけで、一翁から矢のようなお招きの催促がずーっとあってたらしいんだよねー。
お父様とお母様(特にお母様)は断ってたらしいんだけど、今回ばかりは折れちゃって今日のこのお出かけと言う訳です。
だからお母様はこの通り、ご機嫌斜め。
一翁嫌いだからねー。
まぁ確かに原作でもいけすかないお爺様だったけど!
だって!だってお兄様の血を吸おうとしたのよあのジジィ!!
なんたること!!!
「李土のせいよ!一翁の申し出をちゃんと断ってくれないから!」
「僕と元老院の仲が良いのはお前も知っているだろう?」
…あら?どこかで聞き覚えのあるようなセリフ
これは原作8巻第38夜あたりじゃないかい??
……おじたまはやっぱり元老院とグルだったの!?
「李土ったら一時期元老院に匿ってもらっていたからって…」
「伯父様は元老院にいたんですか?」
「む、昔の話だ…」
「ああそれはね枢、昔、グレてお父様…お前たちのお祖父様に勘当されかかったお兄様を、元老院がしばらく預かって更生させてくれたんだよ」
「悠…!その話は…っ!」
「へぇ…、伯父様はグレていたんですか…。だからそんな髪型に…」
「この髪は生まれつきだ!!」
……新 事 実 !!
え、何その青春ストーリー!
おじたまって不良だったの!?
そして元老院!!なにそれ更生施設!?
陰謀ひしめく悪の貴族たちの巣窟じゃなかったんだ!!!
「ねーえ、おとうさま?「ぐれる」ってなあに?」
それは赤い髪した死神の名前よ、ゆっきー!
ってそうじゃないDEATHね☆
「んー、ちょっと道から外れちゃうってことかな」
「みちー?」
「そうそう、盗んだバイクで走り出したり、校舎の裏で煙草をふかしたり、ね」
「んー??」
…ってちょっとおとうさまぁぁあ!??
確かに!確かに「グレる」の説明にはぴったりかもしれないけど!!
「あんなおじたまにも若い時があったってことだよ、優姫」
「その話はもういいっ!!」
わー、おじたま顔が赤―いww
若気の至りって恥ずかしいよねーww
ぐふふ、いいネタいただきましたっ☆
―2/7―