episode6
私は今、観覧車に乗っております。
目の前にはお兄様。
隣にはゆっきー。
『僕だけが女性陣を独り占めするわけには行かないよ』というお兄様の殊勝なお言葉により、お母様は一つ下のゴンドラにお父様と一緒に乗ってますー。
おじたまに邪魔されながらもお父様は大健闘でしたし!
今頃お母様とラブラブしてるでしょう!
あ、いつものことか☆
おじたまは言わずもがな一人ですwww
卑怯な手を使わなければ勝てたかもしれないのにねぇ…ま、自業自得ですねー。
今頃一人でなにしてるんだろーなー。
おじたまぼっちで観覧車www
私たちを乗せたゴンドラはだんだん高く登っていきます。
わー遊園地のイルミネーションがキレーイ!
あ、そーいえば!
ありきたりですが、この遊園地にもジンクスがあるわけで。
ほら、よくあるあれですよ。
観覧車の頂上でキスしたカップルは結ばれるっていう!
乙女にとっては心ときめくお話ですよね!
私はそんなの関係なくともお兄様とちゅーしたいけどね!!
「たかいねー、たまき!」
「そうだねーゆうき」
あぁ、ゆっきーは無邪気だなぁ。
君を見てると欲望まみれの己の脳内が浮き彫りなるよっ!
「みてみてー、ひとがごみのようだねー」
「そうだねー…って、え!?」
ちょ…!今何て言ったの優姫!?
ほら!お兄様もびっくりして目が点だよ!!?
まさかのム○カ!?まさかのムス○!!?
何故ジ○リ作品がないこの世界でキミが某大佐の名言を知っているの!?
確かに高い所に昇ったら思わず出ちゃう台詞だけどさ!
でもダメよ!!ダメ!!
今の発言バルス!!!
「ゆうき、そんなこといっちゃだめ!」
優姫はいつまでも純粋なままでいなきゃダメ!
中二病に侵されたゆっきーなんてお姉ちゃんは見たくありません!
「ムスカはダメ!ゆうきはかわいいシータでいて!ううん、メイだよ!ゆっきーはメイだよ!かわいくトウモロコシをもってまいごになって!!」
「まいごはいやー!」
「優姫…、珠姫…?」
はっ!?
しまった!!お兄様がいること完全に忘れてた!!
どうしようどうしようどう誤魔化そう!!!
あぁぁぁもうっ!えいやっ!!!
ちゅっ
お兄様の唇と私の唇が重なったのは、ちょうどゴンドラが頂上に登った瞬間でした。
「なぁに?おにいさま?」
「…ううん、なんでもないよ」
よっしゃぁぁああ!!
計算尽くしの小首傾げ+上目遣いでさっきの発言消去!!
…って、わたしいま、じぶんからきすしたよね?
オニイサマニキスシチャッタヨネ???
………
ぎゃあぁぁああああああす!!!
ぎゃあぁぁああああああす!!!
なんちゅーだいそれたことを!!!
うわあああぁぁあああああぁ!!!
今更ながら込み上げてきたぁぁあ!!!
ごちそうさまでしたぁぁあああ!!!www
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