episode6
さぁさぁ始まりましたー!
玖蘭家男性陣によるゴーカートレース!
熾烈な争いの模様は私、玖蘭珠姫の脳内実況によりお送りしますー!
「悠ー!頑張ってー!李土に負けたら承知しないわよー♪」
お母様、にこやかな笑顔がかえって恐いです。
もしお父様が負けたらどんなお仕置きをするつもりなのでしょう!
「まけたらアイスー!」
どうやらゆっきーは敗者にアイスをたかるようです。
まぁ二人とも、可愛い顔して恐いこと。
外見と中身のギャップが甚だしいわぁー。
え?私にだけは言われたくないって?
大丈夫大丈夫!本性はまだ曝け出してないから☆
「さんにんともがんばれー!」
私は実況係として公平な声援を送っておくことにしましょうww
さて、各選手の準備が整ったようです。
では順にご紹介しましょう。
第一コース!
サングラスをかけ、青いゴーカートに乗るのは我らがくるくるおじたま、玖蘭李土!
あのサングラスはあらかじめ準備していたのでしょうか?
お腹が捩れるくらい似合ってます!
だってあのくるくるヘアーにサングラスでゴーカートに乗ってるんだよ!?
でも本人は至って真剣だから爆笑するのは心の中だけにしておきましょう。
あーはっはっはっ!はっはっは!はーっはっはっは…っごほっごほ、むせたww
第二コース!
愛する妻の応援に顔をゆるませながら手を振っているのは、白のゴーカートに乗った我らがお父様、玖蘭悠!
お父様はお母様の期待に応えられるのでしょうか!?
それとも想像するのも恐ろしいお仕置きを受ける羽目になるのでしょうか!?
最後に第三コース!
深紅のゴーカートには我らが麗しのお兄様!玖蘭枢!
キャァァアーお兄様カッコいいぃぃぃぃ!!!……と、ゴホン、実況に私情を挟んではいけませんね、失礼!
ああでもやっぱりかっこいい!!!
ゴーカートに乗るお兄様とか激レアだし!!!
写真はすでにバッチリ撮ってます☆
さぁ三選手ともスタートラインに並んでー
レディー……
ごー!!!
でスタートしましたぁ!
三人ともいい勝負です!
おっ!おじたまが僅かに先頭に出ました!
あれだけ強気な発言をしただけありますねぇ。
ゴーカートには結構自信があるようです。
しかしお父様とお兄様も負けてはおりません!
激しい小競り合いが続いております!
ゴーカートでここまで熱くなれるなんていい大人が……なんてツッコミは無しの方向でお願いします☆
おっとぉ!おじたまの青がお父様の白に体当たりー!
卑怯です!えげつないですおじたま!
しかしそんなことで引っ込むお父様ではありません!
負けじとおじたまの車をはねのけます!
玖蘭兄弟、骨肉の争いです!
さて、そんなことをしている間にゴールが近づいてきました!
いまだ競り合っている青と白の横を華麗に通り過ぎたのはぁぁああ!
深紅の閃光っっっ!!
お兄様ですっ!
涼しい顔で今ゴォォォオオオル!!
一位はぁぁぁああ玖蘭枢ぇぇぇえええ!!!
呆気に取られているおじたまを尻目にお父様が二位に滑り込みました!
ということで、三位はおじたまです!
「な…何故僕が……」
「卑怯なお兄様には当然の結果ですよ」
「伯父様、約束を忘れたとは言わせませんよ…?」
「わーい!おじたまー、アイスー!」
―6/8―