episode6
「おじたまだいじょうぶ?」
「珠姫…、心配しなくても…おじたまは…元気だ…」
そう弱々しく微笑むおじたまの顔は真っ青。
さっきのジェットコースターがよほど効いたらしいです。
強がって乗らなきゃよかったのにねー。
「無理して乗るからですよ、お兄様」
「珠姫、そんな伯父様は放っておいていいよ」
「たまたま体調が悪かっただけだ!」
純血種にも体調不良があるのかは置いといて
おじたま、どうやら堪忍袋がぷっつんしたようです。
「貴様らは…いつもいつも僕を虚仮にして…!悠!枢!今日という今日は僕の凄さを見せつけてやろう!あれで勝負だ!」
そう言って高々におじたまが指差したのは、ゴーカート。
「伯父様…また子供じみたことを…」
「はいはい、お兄様のすごさは十分わかっていますから」
お兄様とお父様は、可愛そうなくらいにおじたまの宣戦を軽くあしらいました。
だがしかし…!
「……このレースの勝者には、最後の観覧車に誰と一緒に乗るかの決定権を与えるといってもか?」
「「……!!」」
おじたまのその一言で二人の目の色が変わりました。
「ここの観覧車は最大4人まで乗ることが出来る。つまりだ。一位になれば樹里、珠姫、優姫の三人を独り占めにすることも出来るというわけだ。――どうだ?」
「お兄様…その言葉に二言はありませんね……?」
「受けて立ちましょう、伯父様」
かくして、『玖蘭家杯・目指せ頂上!観覧車deラブラブ♪するのは誰だ!?ゴーカートレースIN遊園地』が突如幕を開けたのです。
―5/8―