episode5
さて、翌日。
あはっ、昨日は緊張して眠れなかったわ.
ほら、私って神経か細いから☆
うんそれは冗談だけど、昨日からそわっそわしてるのよ。
だってやっとこさ千里たんに会えるのよ!?
原作の十六歳でもあんなに可愛いんだから三歳の今はどんなにかっ!!
あー想像しただけで沸き上がってくるわぁ。
「あら珠姫、お顔が赤いわ。お熱があるんじゃない?」
心配そうに私を覗き込むお母様。
違うんですよお母様っ!
顔に血が集中してるだけですからっ!
「だいじょうぶよ、おかあさま」
「そう?具合が悪くなったらちゃんと言うのよ」
確かに今も緊張し過ぎて心臓吐きそうなんだけどさっ。
でも全然病気とかじゃないから大丈夫!!
脳内はもう末期ですがね☆
そんなことをしてるうちに、千里たんが李土おじたまに連れられて来ました。
「珠姫、優姫、お友達だ。ほら千里。挨拶は?」
「……しき、せんりです。」
きゅぅわぁいーーっっ!!!!!
何この生物!!?
ペコッて!ペコッて頭下げたよ!!
ああもう可愛すぎだよコンチクショウっ!
ごめんよ、ゆっきー。
可愛さ部門第一位は千里たん、君に決めたっ!!
サッラサラの茶色い髪につぶらな水色の瞳!!
天使か!?君は天使か!!?
その可愛さは犯罪だぞ!!!
支葵千里!
君を"愛くるしさフェロモン分泌過多罪"の現行犯で逮捕するっっ!!
キャーーー!!
千里たんを捕まえちゃったよーお♪
へっへっへ、こうなったらこっちのもんだ
煮るなり焼くなり寵愛するなり、より取り見取り☆
さーてどうしようか
げぇっへっへっへ
は!いかんいかん
私はまだ三歳児だったっ!
「千里。僕は君の叔父さんにあたる玖蘭悠だよ。この人は玖蘭樹里。君の叔母様だ」
「千里、私のことは"樹里さん"って呼んでね?」
にっこり笑うお母様。
なるほど、"おばさん"とは呼ばれたくないんですね。
「……はるかおじさまと、じゅりさん…?」
「まぁ、可愛らしい。ほら、あなたたちもご挨拶は?」
えぇお母様同感ですっ!!
めちゃくちゃ可愛いよねっ!
お母様に促され、私達も自己紹介。
「僕は玖蘭枢」
「くらんたまきです」
「く、くらんゆうきですっ」
優姫はうずうずしながらお母様に尋ねました。
「ねぇねぇおかあさまっ、せんりとあそんできてもいい?」
「いいわよ優姫。楽しんでらっしゃい」
ゆっきーグッジョブ!!
さぁー千里たんっ何して遊ぼうか!?
「いこっ、せんり」
私達は千里たんの手を引っ張って二階へと向かいました。
やったーっ!
手繋いじゃったよ!!
第一目標クリアだぜ☆
―3/6―