episode5
そんなある日のことです。
「珠姫、優姫、明日お前たちにお友達を連れて来よう」
毎日恒例のティータイムの席で李土おじたまは言いました。
お友達という言葉にぱぁっと目を輝かせる優姫。
「おともらち?おじたまっ ありがとぉ!!」
そんなにはしゃいじゃってぇ
ホントにかぁわいいなぁ、ゆっきーは。
やっぱり可愛さ部門ではキミが断トツだよ☆
確かに私たち、同年代の子ってお互い以外会ったことないんだよねー。
だからお友達はゼロ。
まぁほら、遊ぶ相手には事欠かなかったし?
淋しくはなかったんだけど、やっぱり優姫には憧れなんだろうね、お友達。
「ねぇたまき、おともらちってなにあじ?」
…わっつ?
ゆゆゆゆっきー、ほぉら周りを見て。
みんな目が点になってるよ。
今の言葉がよく理解できなかったみたい。
よよよよぉしおねいちゃんがもう一度聞いてあげよう!
「ゆうき?なにあじってどういう…?」
「だーかーらぁー、なんのあじがあるの?ってゆったの!」
「……」
「ゆーきはぁ、いちごとちょこがいいの!おじたま、いい?」
「……ゆうき?おともだちはアイスじゃないんだよ?」
「……そうなの!!?」
嗚呼全くこの子は
……可愛すぎ!!
そしておもろすぎだぁぁぁああああっはははははは!!
お兄様までおなか抱えて笑ってるよ!
そりゃ笑うよねww
あああ、おじたま過呼吸っ!!
笑いすぎだよ!!
とかいう私も息できねぇぇぇっっっ
「優姫、お友達は食べ物じゃないよ」
一番早く復活したお兄様が言いました。
ちなみにおじたまは笑いすぎて死亡、お父様とお母様と私はまだ息を整えています。
「じゃあなあに?」
「お友達は一緒に遊んでくれる子のことよ」
次に復活したお母様は、紅茶を思いっきり吹き出したお父様の口元を拭きながら言いました。
「だれがくるの?おかあさま?」
やっと正常な呼吸に戻った私は食べかけだった苺のショートケーキを口に運びつつ質問。
「あなた達のイトコにあたる男の子よ」
その言葉にケーキを乗せたフォークが動きを止めました。
え……?
イトコ?
イトコって従兄弟??
【いとこ…父または母の兄弟姉妹の子。おじ・おばの子】
お父様とお母様の兄弟の子ってことは……
おじたまの子ということは……!!
「くるくるおじたまの息子だよ、珠姫。名前は千里というらしいんだ」
お父様のその言葉は私の脳内をマッハ5.5の速さで駆け抜けました。
(ちなみにウルトラマンの最高飛行速度よりも速いのよっ)
せせせせ千里たんに会えりゅぅぅぅうぅうう!!!
―2/6―