とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode5


皆さま御機嫌よう。
わたくし、玖蘭家の長女の珠姫と申します。

え?いつもと口調が違う?
ほほほ、何を仰いますの、わたくしはいつものままですわ。

純血の、それも元王族である当家。
ヴァンパイア界の頂点に君臨する玖蘭家に生まれたんですもの、淑やかな貴婦人にならなくては。

いえ、
とゆーかね。

私、美人だったんですよぉっ!!
玖蘭家に生まれたからにはさっ、それなりの容姿であるとは思ってたよ!?
てか期待してたよ!!?
でもっ
でもっ
正直ここまでとは思わなかったぁぁあ!!

ゆっきーは可愛いのよ!
すっごい可愛いのよ!
可愛さ部門では君に譲るっ!
しかし美しさ部門では文句無しに私だぁぁ!!!

何なの三歳児にしてこの美貌!!
前世ではごくごく平凡な十人並みの顔だった私が!
こりゃみんながメロメロになるのも無理ないわっ☆
おいっ!って突っ込みたくなるかもしれないけどこれホント!

何度も言うけど美人なの!!
平凡顔を十数年経験した私が何の私情も挟まず客観的に判断してるんだから間違いないっ!
三歳になってから気付くの遅くない?とかいう突っ込みは全力スルーで。

だってだってだってぇぇぇ
前々からわかってたけどまさかここまでとは思わないじゃん!
ここ一年くらいで際立ってきたしっ。
そのくらい美人なんですぅわたしぃww
てか私この顔でキャーとかギャースっとかウッヒョォーイとか言ってたのか!!!
ダメダメダメ!!×××
そんなのダメよっ!
イメージ崩れるからっ!
美人さんがそんなことしちゃあいかんよっっ!!

というわけで。
わたくし玖蘭珠姫はこれから外見に相応しい淑女になるのです。
もう鼻血も出しませんわっ!


「珠姫、一人で鏡を見ながらぶつぶつ言って……どうしたの?」


おおおおおおお兄様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

ぶほっ


「珠姫…!お母様、大変です!珠姫が吐血を!!」


お、おにいさま……不意打ちは……いかんぜよ……パタリ。


「珠姫!しっかり!!」


……。
鼻血出さないのは無理だよね☆


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