とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode4


「珠姫、おじたまが好きだろう?」
「珠姫ー、お父様の方が美味しいよ」
「珠姫、ほら、こっち向いて」

「「「あーん」」」


ぎゃおすっ
ぎゃおすっ
ぎゃおすぅぅっっ!!!
わたくし、玖蘭珠姫は今
最高の至福と最大の迷いの中にいます。

目の前には麗しの
伯父様
お父様
お兄様
そしてそれぞれの手から伸びる三本のスプーン。

乙女の夢!
「あーんっ」ですっ!

でもでもでもっ!
この三人の中から選べと!?
無理だろそれはっ!
いや、どっちにしたって全部食べるけどさ、
誰のを一番最初に食べるかが問題らしいのですよ。
あぁ、私に口が三つあったら……
……うん、それは気持ち悪いからやめとくけど。

さぁ、どうする?どうする?
どうするんだ玖蘭珠姫!!!


「「「珠姫、ほら、あーん」」」


すご!三人見事にハモったよ!!
あぁ、三人とも、そんなに嫌そうな顔しないでっ!
特に伯父様とお兄様っ
美しいお顔が台無しよ!
でもその眉間の皺も珠姫は好き!!

じゃなくてっ!!
選ぶんだよね?
選ぶんだよね!?

う――――ん……って
選べるかぁぁ―――!!!


―2/6―

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