とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
dream3


「まぁ、"風紀委員"?"守護係"?良いわね、すごく面白そう!話は私から灰閻くんに通しておくわ。そうだわ、何か目印みたいなものがあった方が良いわね」


すぐに寮に戻ってお母様に電話すればトントン拍子で話がまとまった。
三日後には理事長から黒地に薔薇をかたどった校章をあしらった腕章が届けられた。


「いやー、正直助かるよ〜。僕も校内の見回りはしていたんだけど、毎晩徹夜はきつくって。錐生くんたちが高等部に上がるまで体力が持つか不安だったんだよね〜」

「理事長…、そもそもハンターの子供が中等部にいるなんて聞いてませんでしたけど?」

「やだなぁ、枢くん、本気で睨まないでよ…。仕方ないだろう、夜間部の秘密を守る風紀委員を一般の生徒にさせるわけにはいかないんだからさぁ」


私たちが風紀委員になることに反対していたお兄様は、不機嫌そうな目付きで理事長を見た。

『吸血鬼と人間の共存を実現するため』、『夜間部生と普通科生をどちらも守るため』と表向きの理由を並べて頑張って説得したけど、万一私たちが危ない目にあったらってなかなか承諾してくれなかったんだよね。
だけどお父様の『風紀委員は寮長にも罰則を与えられる権限を持つとしたら、……どうだい枢?』という助言を聞くとすんなり了承して、私と優姫の風紀委員任命の書類にさらりとサインをくださった。

お父様、そのアドバイスは天才すぎます。
だって風紀委員(私)が寮長様(お兄様)に罰を与えられるってことでしょう!?
やだわどうしよう!どんなお仕置きをしちゃおうかしら!
というかその条件で承諾しちゃうなんて、お兄様ったら私にお仕置きされたいの?キャッ、ドSでドMなんだから♪


「珠姫ちゃんと優姫ちゃんなら、他の夜間部の子たちも言うことを聞くだろうから安心だね。二人とも頼んだよ」

「大丈夫よ、理事長!」

「私たち"守護係"に任せてください!」


こうして私と優姫は、夜間部の風紀委員となったのでした。

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―8/9―

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