とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
dream3


「妹って……君たち姉妹なの?」


私たちの会話は見事に無視した壱縷が問いかけた。
そのスルースキル素敵よ壱るん!


「そう、私たちも双子なの。二卵性だけどね」


私は後ろから優姫を引っ張り出した。
サラサラストレートの優姫に癖っ毛の私、身長や瞳の色はほぼ同じだけど顔つきは全然違う。
あ、胸は私の方が大きい。でもゆっきーの方がちょっと足が長い。(悔しいけど)
君たちに比べれば似てないけど、これでも双子なのだよ。
私が二人と普通に話しているのを見て優姫は少し安心したのか、アイコンタクトで『この人たち、誰?』と聞いてきた。


「彼らは錐生零と錐生壱縷。ハンターの名門、錐生家の子で中等部の二年生。血液型はA型よ」

「なんでお前が俺たちのこと当然のように紹介するんだ」

「血液型まで知ってるの恐いんだけど。今日が初対面だよね?」


公式ファンブック情報です!
ちなみに十七歳時点の身長と好きな女性のタイプも知ってるよ!二人とも同じなんだよね!
なぁんて言えるはずもないので意味ありげに微笑んで誤魔化します。


「ふふ、ひみつ」

「……そもそもお前は誰なんだ」

「え、もしかして自己紹介してなかったっけ?」


錐生の双子は全く同じ顔でコクリと頷いた。
やっだー、私ったらうっかり☆


「それじゃあ改めて。私は玖蘭珠姫よ」

「……玖蘭優姫、です」


私たちが名乗ると、零と壱縷はすぐに険しい顔になった。


「玖蘭ってまさか純血の……」

「ピンポン、壱るん♪」

「"るん"って何…」


壱るんは壱るんよー!
それにしてもさすが!ちゃんと吸血鬼社会についてお勉強してるのね。えらいぞ!


「それより二人はどうしてこの学園にいるの?もしかして初等部から通ってた?」

「お前に答える筋合いはない」

「えー、いいじゃない、零りん」

「だからりんって言うな」

「教えて、零?」


きゅるるん☆おねだりEYESで訊ねれば零は頬を染めてそっぽを向いた。
チョロりんじゃん。


「……中等部からの編入だ。どうやら理事長は俺たちにお前たち吸血鬼を監視する役目をさせたいらしい」

「高等部に上がったら正式な役職を設けるって言っていたよ。えーっと、何て言ったかな…、『表向きは"風紀委員"、真の姿は"学園守護係ガーディアン"』とか何とか」


壱縷の言葉に私は目を見開いた。

……なんですって!?
学園守護係ですって!!??
それを高等部に上がった零りんと壱るんがやるですって!!!???
何ということなの!?今すぐ見たい!!マッハで成長してくれ!!!

……というか錐生の双子が風紀委員をやるなら玖蘭の双子も風紀委員をやるべきじゃない?
そうだわ、これよ!昼と夜の双子で学園の平和を守るのよ!!!
珠姫ちゃんナイスアイディア過ぎる!!!!


「学園守護係……かっこいい」

「おい、お前たちを監視する役目だって聞いてたか?」


ほらゆっきーもこう言ってるし!
守護係かっこいいよねそうだよね!
何なら見回りと称して堂々と授業をサボれるし!!


「優姫…!(良いこと思いついた!私たちもやろう!)」

「珠姫…!(絶対楽しい!賛成!!)」


私たちは目線だけでがっしりと握手を交わした。
そうと決まれば即行動よ!早速お兄様に相談を……いいえ、こういう時にはトップに直談判が最短ね!
最高権力者のお母様に連絡しようそうしよう!!


「零、壱縷、ダブル双子パワーで頑張りましょう!」

「みんなで力を合わせて学園を守ろうね!」

「話が全く見えないんだが……」

「よく分かんないけど、よろしく?」


―7/9―

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