とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode17


頭上に煌めくシャンデリア。
ワルツを奏でる楽師団。
広間にひしめく貴族たち。

やってきました夜会デビュー!
主催は色々もめた結果、一条家になりました!
一翁がどぉぉぉおおおしてもって泣き落とししてきたんだよね。
『姫様方の社交界デビューをお任せいただけるのですからこの十年…、いえこの百年で最も盛大な夜会にいたします!!』
なぁんて意気込んでたけど、ほんとに全貴族集まってんじゃないのかってくらいの人の多さ。
目の前の大きな扉越しにもざっと二千人くらいの気配を感じるんですけど…。
一翁どれだけ招待状配ったのよ!?

ちなみにこの記念すべき日を彩る私たちのドレスはまさにお姫様といわんばかりの華やかプリンセスライン。
私がホワイトパールで優姫がピンクパールなの。
一見同じデザインに見えるけど、デコルテの刺繍やパフスリーブの形が微妙に違ってすんごい可愛いの!
髪も複雑に結い上げられてほんのりお化粧もしちゃったりして!
これぞ女子!!テンション上がるわ〜〜〜!!!
ゆっきーはあまりの人の多さにちょっと恐がってるみたいだけどね
大丈夫だよ!お姉ちゃんがついてるから!!

そんな優姫のエスコートをするのはいつもより気合が入って、くるくるが二割増しなおじたま。
その横にはいちゃいちゃラブラブ三割増しのお父様とお母様。
そしてそして私の隣には夜会服に身を包んだ色気五割増しのお兄様!!
嗚呼そのリボンタイに!私はなりたい!!!


「珠姫、今日のドレスとてもよく似合っているよ」


きゃあああああああああああ!!!!
至近距離の微笑みーーーーーシャイニングッッ!!!!
お兄様ったらなんて強力な攻撃を……
夜会前にハナヂダースになってしまったらどうするの!!


「お兄様が一生懸命決めてくださったおかげね」


お母様とおじたまと激しいバトルを繰り広げながらね!
その影でお父様はしたたかにご自分好みの靴や髪飾りを揃えてくださったのよね。


「そうやって白いドレスを着ていると花嫁みたいだね」


はな???よめ????花!!!!嫁!!!!
花嫁ーーーーー!!!!!!
それはもちろんお兄様のってことですよねそうですよね!!!


「やだわ、お兄様ったら。そんなこと言われると緊張しちゃう…」

「もちろんその時に隣を歩くのは僕だからね?」


リーンゴーンリーンゴーン。
私の脳内で祝福の鐘が鳴り始めたわ!
今から歩くのはバージンロード!?
だったら早く誓いのキスを!!!
あ、ダメだ、お兄様とのキスなんて想像したらまた鼻血がこみ上げてくる!!!
せっかくのドレスを血に染めてどうするの!?早く落ち着くのよラマーズラマーズひっひっふー。

………って全然収まらんわ!!!どうしよう!!

そうだ思考を切り替えようそうしよう!!
今日の夜会には拓麻も来てるよねそうだよね。
何てったって主催者の孫だもんね。
久しぶりにキラキラ王子を拝みたいなー。
あっ、もしかして千里たんも来てるかな?
一条派だしね!おじたまもいるし。
ということは??もしかしなくても英や暁も参加してるかも!?
学園に行く前に初対面が叶う!?
アイドルでワイルドな従兄弟コンビに会えるかも!?!?
ってますます動悸がしてきたわ!!


「珠姫、そろそろ行こうか」


ぐわっぎしゅっぎゃおすっっ!!!

不意打ちに手を差し伸べるお兄様にとどめを刺されそうになりながらも、何とか鼻血と動機を鎮めて私は煌びやかなホールへと入って行きました。

そこで英と暁に出会い、見事ウブな少年たちの初恋を奪っちゃったのはまた別のお話でっす☆


next→あとがき
episode18 13歳:お母様の浮気!?編
―8/9―

|

[back]

×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -