とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode17


「うざいとか言って、ごめんなさい」


翌日、優姫はおじたまに向かってぺこりと頭を下げました。
ほんとに素直で良い子だ。


「優姫……っ!!ふべしゃっっ」

「いいんだよ、優姫。お兄様がうざいのは本当のことなんだから」

「そうよ、李土は構いすぎなのよ。小さい頃飼ってたライオンもそれが原因で十円禿作っちゃったんだから」

「優姫は悪くないよ。鬱陶しい伯父様は僕が消してあげるからね?」


一週間ぶりに優姫に話しかけてもらえたおじたまは感涙に咽び泣……こうとする間もなくお父様に頭を潰されました。
というか、おじたまライオン飼ってたの?
それはすごく似合うけどライオンが十円禿作るってどんだけのストレスなのよ!?
ってお兄様!それはハンターの剣!トドメ刺しちゃダメーーー!!!


「おじたま、あのね」


優姫は虫の息になっているおじたまに少しはにかみながら言いました。
するとピクピクと痙攣していたおじたまは凄いスピードで頭を生やして涙でべちょべちょになった顔を上げます。
うわ、再生速度えぐ……。


「優姫!!またおじたまと呼んでくれるのか!!」

「……やっぱりこっちの方が呼びやすいから。でも家の中でだけね!外では「おじさま」って呼ぶからね!」

「それで十分だマイエンジェル!!」


おじたまにぎゅーっとされた優姫はちょっと嫌そうにしながらも仕方ないなぁといった表情。
そうそうゆっきー、諦めが大事よ。


「それでねおじたま、仲直りのしるしに提案があるの」

「何だ?おねだりか?何でも言ってみろ!おじたまが全部叶えてやるぞ!」

「今度の夜会デビューの時、エスコートしてくれる?」

「……っっっゆ、優姫!!!!!!」


おじたま、涙・腺・崩・壊☆
まるで涙がナイアガラ!
いつもだったら私と優姫の夜会デビューのエスコート役なんて殿方たちのバトルが始まるとこなんだけど、今回はゆっきーのご指名だからお父様もお兄様も文句を言わず受け入れたようです。
そしたら当然お母様のお相手はお父様でしょー?
ということは!!!私のエスコート役はお兄様!!!
やっっっほううううううう!!!!!
まあでもバトルになろうが阿弥陀くじになろうがお兄様以外にエスコートされるつもりはありませんでしたけどね?
今回は平和に収まったということで。

というかゆっきー大人の対応すぎないかね?
反抗期を十日あまりで克服しちゃったの?えらいな!


―7/9―

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