とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode15


ピピー!!!イエローカード!!
そういうの無し!シリアスは無し!!
ああもうなんでこんなにも幸せな瞬間にしょんぼりしなきゃいけないのよ!!
例えあれが始祖の女性だったとしてもお兄様のかつての想い人だったとしてもノーーープロブレム!!
お兄様の血はたっぷりどころか溢れちゃうくらい私への愛でいっぱいだったし!!
おかげでお腹もいっぱいよ☆
だって!お兄様の愛が!何度も言うけどお兄様の愛が!!ダイレクトに伝わってくるのよ!
そりゃあ感激して涙も出ちゃうよね!
あ、ナチュラル小悪魔loveモード切れちゃったじゃない!


「くす、零さないように噛む練習もしないとね」


お兄様はやわらかく笑いながら私の口の周りを舐め始めました。
うん、最初だから加減がわかんなくてね…。
お兄様のシャツや私のワンピース、ベッドシーツも血まみれ……わお。


「自分でも呆れるほど、僕の血は君だけだね」

「……痛くなかった?」

「珠姫から与えられるものなら、痛みでさえも愛しいよ」


お兄様はそう言うと、そのまま私の唇を舐めました。
柔らかな舌が唇を舐め……ってこれキスじゃん!!!??
きょおおおおおおおおおおお!!!!


「ん…、んちゅ……、おにい、さまぁ……」

「でも少し吸われ過ぎたから、今度は珠姫からちょうだい?」

「え……?」

「牙が生えたことで一人前の吸血鬼と見なされるからね。吸うのはもちろん吸われる意味でも吸血解禁なんだよ。それに……」

「お兄様?」

「あんな君を見せられて、僕の理性も限界なんだ」


ナチュラル小悪魔loveモードの威力すげえええ!!!
って、へ!?嘘でしょ、ちょっと待って!!
それこそ心の準備が!!
だって全部見られちゃうわけでしょ!?
ということはつまり私が普段脳内お花畑で繰り広げているモザイク劇場とかも見られちゃうのでしょう!?
いやいやそれはちょっと無理!!
どうしようどうしよう!!そうだ閉心術だ!!!
ってちょっとお兄様!?
あ…ん…、やぁ…、そんな……、んん……あっ、あんっ、……テクニシャン!!
はあああああああああん!!!

――玖蘭珠姫、本日二度目の理性喪失――


next→あとがき
episode5 11歳:看病編
―11/12―

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