とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode15


「珠姫、入るよ」

「お兄様…」


真新しい純白のワンピースを着てお部屋でスタンバイ。
初めての吸血の時はこれを着るのが玖蘭家のしきたりなんだそう。
なんだかウェディングドレスみたいよね!きゃっ♪

そうそうあのバトルの後、お兄様はお母様からお説教をされたようです。


「お母様、なんて?」

「勝手に庭を改装し過ぎだって怒られたよ」


苦笑して肩をすくめるお兄様。
え、お母様、怒るのそこなんですかww


「それより珠姫…」


ギシリと鳴るベッドのスプリング。
急に近付く顔、吐息。


「早く君の"はじめて"を僕に頂戴…?」


………っ!!!
ぎゃあああああああああああ!!!!!
ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って!!!
こんな至近距離でそんなフェロモンボイスで囁かれたらああああ!!!
吸血どころじゃない!呼吸困難!!!
珠姫、落ち着くのよ!
ラマーズ呼吸で息を整えて!
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、ヒッヒッヒッヒッヒヒヒヒイヒイヒイヒイイイイ
無理ーーー!!!


「…っ、ちょっと待ってお兄様…、まだ心の準備が……」

「君のために勝利を勝ち取ったのに…?」

「……っ」

「生えたばかりのその牙で、僕の肌を噛んで、僕の血を飲んで、僕の想いを味わって…?」


bgへhがおwふぉwhfんwkぇんdしvhぶ!!!!!
ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……、神様……、これ以上は無理です……死ぬ!!
萌えメーターが振り切れるどころか吹っ飛んだよ!!
何なのこのフェロモン数値は!!?計測不可…だと!?
ハナヂダースどころかトケツスールにニ段階進化しちゃうよ!!
ヤバいヤバいヤバい!脳内マグマ沸!騰!中!!!
カウントダウンが始まります
噴火まで、3、2、1、………………ドッカーーーーン!!!

――そこで私の理性は切れました――


―9/12―

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