とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode15


「ふっ、まずは第一の邪魔者を排除した。これで珠姫が行き遅れてしまう心配はない」

「じゃあ、次の邪魔者を排除しましょうか―――伯父様?」

「その言葉をそっくりくれてやるぞ、枢!」


お父様が脱落したことによりバトルは一転お兄様とおじたまの一騎打ちとなりました!
おじたまはもう一度メタモルフォーゼ!うねうねです!いつもより三割増しでうねってます!(当社比)
おじたまのうねうねが鋭い鞭のようにお兄様に襲いかかる!
っと地面が揺れた!
お兄様が土やら煉瓦やらを用いた防御壁でおじたまの攻撃をガード!
さっきまで互いに手を組んでいたとは思えない激しい攻防戦!本気です!ガチです!
かなり大きく揺れましたが地中にいるお父様は大丈夫でしょうか?


「ふっ…、なかなか…やるな…、枢…」

「伯父様、息切れしてませんか?」

「当たり前だ!多少手加減したとはいえ悠と一戦交わした後だぞ!……まさかお前!?」

「くす、今頃気づいたんですか伯父様」

「僕の体力を減らすために悠の相手をさせたな!!」


なんと!!
そこから計算だったのですねお兄様!!
さすがです!
その緻密な戦略、私も見習わなきゃっ☆


「さて、そろそろ遊びは終わりにしましょうか」

「…なんだと!?」


今日一番の笑みを見せたお兄様の手には、先ほどの怪しげなボタンが!


「うおおああああ!?」


ちょうど大木の真下にいたおじたまは、突如頭上から現れた網に捕らえら宙に吊るされました!
まさかの第二のトラップ発動!


「僕が伯父様用に用意していたのが落とし穴一つだけとでも思ったんですか?」

「なんだこれ!ビリビリするぞ!?」

「当然です、その金網は対吸血鬼用に出来ていますから」

「卑怯だぞ!」

「……そう言いながら李土、お前だって後ろ手にハンターの武器を持っていただろう」


お兄様の目つきと口調が変わった!
キターーーーー!!!始祖モーーーーード!!
おじたまの手元を見れば、確かに対吸血鬼用の剣が!


「くっ…、なぜそれを…!」

「僕が分からないとでも思ったのか。そんな卑劣な手を使うお前にはその姿が似合いだ」

「卑劣だと!?こんな手を使うお前に言われたくないわ!」

「お前がこんな子供騙しに引っかかってくれて良かったよ…。不死身の純血同士の戦いは不毛だからね。僕も本気を出さなければいけなくなるところだった」

「あれで本気じゃなかった……だと!?」

「李土、覚えておけ。――――僕から珠姫を奪うヤツは伯父でも殺す」


その言葉と同時に銀の物体がシュッと放たれました。
そして声もなく意識を失ったおじたま。
よくよく見ればおじたまの額に鋏が突き刺さっています。

うええええええええええ!!!!!?????
オヤコロならぬオジコロ!?
い、今お兄様の左目が金色に見えたような……ゴシゴシ
というか純血種じゃなかったらおじたま死んでるからね!?
ああ、私の天帝さま…!!

ということで!
玖蘭李土戦闘不能!
よって「枢VS悠VS李土!珠姫の初めての吸(チュウ)をもらうのは誰だ!?バトル」の勝者はぁぁああああ、玖蘭枢!!

ハッ!ということは私、お兄様の血を吸っていいのよね!!?
ぎゃああああああああああああああ!!!!!!

(ちなみに後日、優姫にも牙が生えたことによってこの勝負は繰り返されることになります)


―8/12―

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