とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode15


さあさあ始まりましたぁー、玖蘭家殿方によるガチンコバトル!
なんだかこの流れは久々ですねー。
対戦の様子はいつもの通り玖蘭珠姫の脳内実況によりお送りしまぁすー!
お母様がこれ以上家の中を壊されてはたまらないということで、今バトルのリングは玖蘭家第二庭園です。


「ふっ…、今日という今日こそは珠姫は僕のものになるのだということを決定的にさせてやろう」

「珠姫はすでに僕のものですよ、伯父様。誰にも渡しません」

「何を言っているのかな、二人とも。珠姫は結婚なんてせずにずっと僕の娘でいるんですよ」


わぁー、三人の殺気で火花バチバチ☆
さっきまで風なんてなかったのに、今や嵐が吹きすさんでいます。
特にお父様の笑顔が恐いです!黒いです!
悪魔さえも震撼するような低音ボイス!!!
ぐっはーーーーー!!!!!
震えます!痺れます!珠姫のハートまでノックアウト!
やっぱり声の良い男性って大事ですよねー。
おおっと!?
いつ誰から攻撃が飛んで来るか分からない緊迫した空気の中、お兄様とおじたまが目配せを交わしました。
そしてぇぇぇえええええ、消えた!
おじたまが消えました!!
と思ったら得意のメタモルフォーゼで身体を変化させお父様の目の前に現れた!


「あら、李土は本気みたいねぇ。このままじゃお庭も荒らされかねないわ」


お母様、心配するのはそこですか!
しかしすごい!早いです!
なんだか分からないたくさんの黒いうねうねで容赦なくお父様を攻撃するおじたま!
しかしお父様は華麗にそれをかわしていきます!


「この程度ですかお兄様。前より衰えたんじゃありませんか?」

「何だと悠!」

「まさかこれが本気だとでも?だとしたら……僕から珠姫は奪えませんよ!」

「…ぐっ!」


お父様が反撃に出た!
先ほど素手で切ったおじたまのうねうねを黒い剣に変え、次々と襲いかかって来るうねうねをぶった切って行きます!
…っていうかうねうねうねうね言うのめんどくさい!
何なのアレは!?おじたまの髪の毛なの!?
今度からうねうねおじたまって呼ぼうか!?ww
あ!少し目を離したすきにおじたまが押されています!


「お兄様、覚悟!」

「……するのはお前だ、悠」

「え…?」


―6/12―

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