episode15
「あらまあ牙が生えたの!?」
「そうなんですよ、お母様。今朝寝る前に気付いたんです」
夕方、目が覚めてリビングに行きお兄様と一緒に報告すると、お母様は嬉しそうに驚いてにっこりと笑いました。
「おめでとう珠姫。これでれっきとした吸血鬼の仲間入りね。お赤飯炊かなきゃ!」
ちょ…!お赤飯って!ww
何その「一人前の女の子になったのね!」みたいなww
でもそうか、牙が生える=一人前の吸血鬼ってことで、意味合いとしては同じなのかも。
なるほど、だから「おめでとう」なのね!
だったらそれに初めて気づいたのがお兄様って……やんっ♪
これは責任とってお嫁にもらってもらわなくてはいけませんね!!ウフフフフ
「なんだと!?珠姫に牙が!?」
「樹里!それは本当かい!?」
リビングのドアがバーンと開いて現れたのはおじたまとお父様。
ほらほらお二人とも、そんな風に廊下を走ったらお母様に怒られますよー。
てか今更ながら吸血鬼の聴覚って凄いね!
お父様は書斎辺りにいたんだろうけど、おじたまなんてまだパジャマだよ?
それもお揃いのナイトキャップ付き!ww
別の階にいたってリビングでの会話が聞こえるのか!
……これは一種のプライバシーの侵害になるのでは?
「お父様、おじたま、おはようございます」
「お父様、お早うございます。伯父様、だらしないですよ、着替えて来ては?」
「悠も李土も!廊下は走らないのって何度言ったらわかるの!?」
私、お兄様、お母様、三者三様の反応です。
ほらやっぱり廊下走ったの怒られたー。
「珠姫に牙が生えたと聞いて着替えなど悠長にしておれるか!」
「ごめんよ樹里、でも珠姫に牙が生えたなんて知ったらゆっくり歩いてなんていられなかったんだよ」
「それで!?」
「珠姫!」
「「おじたまに/お父様に 見せてごらん!!」」
―3/12―
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