とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode14


「誰のせいで部屋に檻を設置する羽目になったと思ってるんだ!?」

「お前が逃げ出さないようにだろう?」

「あれは特別にお前除けの術式が施されている檻だ!!」


…あれ?


「僕のせいにするな!」

「お前のせいだろう!」

「な…!僕はただお前が淋しくないようにと思ってだな…!」

「その構い方が鬱陶しいのだと何度言えばわかる!!」


……ああ、大正浪漫物語がガラガラと音を立てて崩れていく…。
でもさっきの脳内妄想劇場より容易に想像できるんですよねー、ウザいくらいに構ってくるおじたまとそれを嫌がる閑さん。
何てったっておじたまの鬱陶しさは毎日見てるからね☆
でも珠姫はそんなおじたまが好きだよ!


「珠姫と優姫の話だって、これまで何度聞かされてきたか…」

「実際に会ってみてどうだ?僕の姪っこ達は可愛いだろう?」

「…まあ、そうだな。こればかりはお前の意見に賛成三してやろう」

「……お前が僕の言葉に頷くなんて……!この三世紀で初めてだぞ!?」

「……悪いか」

「わわ、悪くはないが……なんだ、その…………おお、お前こそ、それくらいで照れるな!」

「照れてなどない!!貴様こそどもるな!それに一体いつまでそこに立ちつくしているつもりだ?」

「元はと言えばお前が僕を置き去りにするから…!」

「ああ五月蠅い、早く座れ」

「まったく、昔はもっと可愛らしかったのに……」

「何か言ったか!?…って、私のサンドイッチを勝手に食べるな!」

「お前、きゅうり嫌いだろう。だから代わりに食べてやったんだ」

「そんな昔の話…!今はもう食べれる!」

「ふぅん…、じゃあ食べてみろ」

「受けて立ってやろうではないか」

「口を開け、ほら。――おお、食べれたじゃないか!」

「別に貴様に褒められたとて嬉しくはないわ!」


おお?やっぱりさっきの大正ロマン妄想はあながち間違ってなかったかも。
あーんとかしちゃってるし。
頭撫でたりとかしちゃってるし。
なんだ、ちゃんとラブラブなんじゃないか。


「おじたまと閑お姉様、仲良いね」
「うん、仲良しさんだね!」
「伯父様、お似合いだと思いますよ」
「まあ、式はいつにしようかしら!」
「お兄様、僕たちは席を外しますからあとはどうぞごゆっくり」

「「いや待て、これは違う!!」」


ぴったりハモってるしwww
閑さんが「おばたま」になる日は案外近そうですねー。


next→あとがき
episode15 10歳:はじめてのチュー編
―7/8―

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