episode14
ということで、前置きが長くなりすぎましたがやっとのことでお茶会です。
ティースタンドがあるとテーブルの上が一気に華やかになりますね!
一番下にはサーモンとクリームチーズ、きゅうりと生ハムのサンドイッチ。
二段目には焼き立て熱々のスコーン、クロテッドクリームとブラックベリーのジャムを添えて。
一番上には煌びやかなケーキたち 小さめサイズだから何個でもイケちゃいます。
私の狙いは桃のタルト!優姫に食べられてしまう前に死守せねば!!
「樹里の菓子は相変わらず上手いな」
「ふふ、ありがとう」
「スコーンはね、優姫と珠姫も手伝ったの!」
ゆっきーは早速閑さんに懐いてます。
私はその隙に桃のタルトを難なくゲット!美味しいー!
「そういえば閑、李土はどうしたの?」
お母様が尋ねました。
そういえばカップが一つ余ってるなーって思ったんだよね。
ああ、おじたまがいなかったんだー、そっかー。
ま、気付いてたけどね☆
「ああ、あまりにも煩わしかったので途中で捨ててきた」
「閑ぁあああ!!僕を置き去りにするとはいい度胸だな!!」
閑さんがそう言った途端、リビングの扉を勢いよく開けておじたまが入ってきました。
ご自慢のくるくるヘアーにはところどころ葉っぱがついています。
「……もっと遠くに捨てて来れば良かったな」
「早く言ってくれれば協力したのに」
「次からはそうしよう」
おじたま、不憫……。
しかし閑さん、なかなか良いキャラしてますよね!!グッジョブ!!
「お前たちは僕を何だと思ってるんだ!?閑、仮にも僕はお前の婚約者だぞ!!」
「私の意思ではない。物心ついた時にはすでに元老院に決められていた」
「元老院は李土を更生させようとして閑と婚約させたのよね♪」
「荒れていたお兄様も、幼い閑と一緒に過ごせば少しは丸くなると思ったんだろうね」
「五月蠅い!あの頃はとうに更生していた!!」
え!え!えぇえええ!?
何その話、超萌える!!大人李土×子供閑!?
じゃああれですか、閑さんは子供の頃「李土兄さま」とか呼んでおじたまを慕っていたりした時期もあったのですか!?
それも元老院で!?同じ屋敷の中でおじたまと一緒の幼少期を過ごしてたのですか!!?
〜いきなり脳内妄想劇場〜
「……ぐす……ぐすん……」
「閑…?」
「李土兄さま…」
「どうしたんだ、そんなに泣き腫らして」
「どうして私はお外に出ちゃいけないの…?」
「……」
「みんな、私が狂ってるって。キケンだって……。こんな檻、もういや!」
「閑……」
「李土兄さまだけよ。兄さまだけがこうして私に脅えずに接してくれる…。ねえ兄さま、兄さまだけは私を嫌いにならないで……」
「お前を嫌う訳がなかろう。もう少し時が経てば僕がお前をここから出してやるとも」
「……ほんとう!?」
「ああ、本当だとも」
「兄さま…!」
〜Fin〜
良い…!それは良い…!
檻に閉じ込められた薄幸の美少女と兄と慕ってきた婚約者!
小さい女の子の着物姿って可愛いんですよねー
おじたまはきっちりと三つ揃いとか着ててほしい!
着物少女×洋装男子!!大正ロマンよいよ!!
―6/8―
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