episode14
「…して、それが玖蘭の双子姫とやらか」
「ええ、僕の妹たちです。珠姫、優姫、挨拶して」
お兄様に促されてゆっきーとご挨拶。
エンジェルスマイルは80%でちょっと控えめにしとこう。
初対面だしね。
「初めまして、玖蘭珠姫です」
「こんにちは!玖蘭優姫です!」
「………可愛いではないか」
おぉっと!玖蘭珠姫、さっそく閑さんのハートを掴んじゃいましたぁ!
エンジェルスマイル効果はさすがですね!
白い頬が桜色に染まってます。
そんなあなたこそ可愛いよ!!
「私は緋桜閑だ。今日はそなたたちに土産を持って来た」
私たちの目線に合わせてしゃがんでくれた閑さんは、私たちに手のひらサイズの小瓶をくれました。
中に入っているのは桜色の金平糖。
閑さん、良い人だ!
ゆっきーの目もキラキラしてます。
食べ物をくれる人に弱いからね、この子。
「李土から散々話を聞かされているので初対面の気がしなくてな」
「きれーい!」
「美味しそう!」
「「ありがとう、閑おばたま!」」
ゆっきーと一緒にそう言った瞬間でした。
閑さんのこめかみがピクっと動きました。
「あ、地雷踏んだ」って後悔した時はすでに遅く。
「ほぅ……、"おばたま"?」
「だっておじたまと結婚するならおばたま…もがっ」
「こら優姫!地雷の上でステップ踏むようなこと言わない!」
「私は李土などと結婚するつもりはない。そんな事を言う可愛い口はこれか?ん?おお、良く伸びることだ」
「いひゃいいひゃいいひゃい(痛い痛い痛い)」
「ごめんなひゃいもういいまひぇん(ごめんなさいもう言いません)」
「お姉さまと呼べ。いいな?」
「「ひゃい、おねーひゃま」」
「宜しい」
やっぱり閑さん恐い人だよ!!
でも「お姉さま」って呼んだらにっこり笑うとことか嫌いじゃないよ!きゅんとしたよ!!
―5/8―