とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode14


「閑!久しぶりね!」


閑さんが執事に案内されてリビングに入ってくるなりお母様はぎゅーっと抱きつきました。
お父様もその後ろでにこにこと微笑んでいます。
あれ?もしかして仲良しさん?


「樹里、悠、久しいな」

「こうして会うのは六十年ぶりかな」

「やだわ悠ったら。依砂也くんのおやすみパーティーの時にも皆で集まったじゃない」

「ああ、そうだったね。じゃあ四十二年ぶりかな」

「あら、そんなに前だったかしら?」


ちょwwwおやすみパーティーって何ぞwww
依砂也さんが眠りにつく前に皆で祝ったの?
お別れパーティーみたいなノリで?ww
そもそもそれってお祝いするものなのですか?
いやー、それにしても純血種の時間感覚にはたびたび驚かされます。
お母様なんて百年前のことも平気で「この前」とか言っちゃうからね!
そりゃあ三千年も生きてれば百年なんてあっという間なんでしょうけど。


「ああ、もうそんなになるのか…。そういえば、そなたたちの娘たちにもまだ会ったことはなかったな」

「ええ、そうなの。紹介するわ。枢、珠姫、優姫、いらっしゃい」


お母様に呼ばれて閑さんの前へ。
まずはお兄様からご挨拶。


「閑さん、お久しぶりです」

「おや、坊や」

「……もう坊やはやめてください」


照れてる!!お兄様が照れてる!!!!
ちょっと拗ねたように横を向くお兄様かわええええぇぇぇぇぇえ!!!
はぁ…っはぁ…っはぁ……っごほっごほごほ!!!
やば……、萌え過ぎて……息が…………ひゅーっ、ひゅーっ
ダメよ!ちゃんと息を吸って!!
酸素が行き渡らなかったら脳は動かないんだから!!
それって華麗乙女に取って死活問題よ!!
ひとまず落ち着こう、ラマーズラマーズひっひっふー
………よし!ってあああああ!!!
興奮しすぎてお兄様のレアな表情をカメラに収めるの忘れた!!
華麗乙女一生の不覚!!!
お兄様が照れるのってお母様にハグされた時くらいなのに!!
……ハッ!まさかお兄様って年上の女性に弱かったりする!!?
……よし今度おじたまクッキーを食べよう。
綺麗なお姉さんになってお兄様を「坊や」って言ってぎゅってするんだ!!
そして今度こそ抜かりなく照れたお兄様の写真を『photo collection』に!!


「ほう…、あの坊やが一端の口を利くようになったものだ」


まあ、お兄様は始祖様なんだけどね?
この中でいちばん長く生きてるよ!


―4/8―

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