とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode14


さてさて数日後。
今日は閑さんが家にやって来る日です!
まあね、私が小悪魔スキルを駆使しておねだりしなくても、お母様が今日のお茶会を提案した時点で結果は決まってたんですけどね
だって玖蘭家の最高権力者はお母様だもの☆


「ねえ、お兄様?お兄様は閑さんのこと知ってる?」


予定の時刻まであと少し。
おじたまは閑さんを迎えに行ってて、私とお兄様はお部屋で待機中。
優姫は待ちきれないみたいで階下に降りて待ってます。
そういえばお兄様は閑さんに会った事あるのよね?
原作と変わらないキャラなのかな?


「ああ、元老院に行った時に一度だけ会ったことがあるよ」

「どんな人だった?」

「髪が長くて着物を着た、綺麗な女性だったよ」


ふふふー、あれでしょあれでしょ?
原作五巻の回想シーンに出てきた檻越しの対面でしょ!?
個人的に閑さんがお兄様のことを「玖蘭の坊や」っていうのすっごく萌えるんですよね!!
でもお兄様が他の女性のことを「綺麗」なんて言うのはちょっと妬けちゃうなー。


「……珠姫も今度、お着物着ようかな」

「どうして?」

「だって、珠姫もお兄様にきれいって言ってもらいたいもん」


ここですかさず上目遣い!!もちろん頬はちょっぴり染めて!
ジェラシーは程良く出すのが華麗乙女流です!!


「君が望むならいくらでも言ってあげるよ、珠姫」

「お兄様…」

「そして僕以外の誰にも珠姫のことを綺麗だなんて言わせたくないな。いっそ閑のように、檻の中に閉じ込めておきたいくらいだよ。そうすれば珠姫を僕だけのものに出来るのにね…」


ぎゃあああああああああ!!!!!!!!
ちょっっっ………お兄様!!!その台詞は反則です!!もはや犯罪です!!!いや、本当に犯罪だけど!!
そんな…っ、そんな風に頬をゆっくり撫でながらいつもよりちょっと低い声で言われたら心臓止まっちゃうじゃないですか!!!
お兄様は私を殺すおつもりなのね!!ええ!!どうぞ貴方の手で息の根を止めてください!!
お兄様の檻の中に閉じ込められるなんて大歓迎です!?
お兄様だけのわ・た・し、ってことでしょ!?
つまりは私だけのお兄様ってことでしょう!!
やばい……、あまりに素敵な展開過ぎてさっきから本当に心臓動いてないんだけど!!


「珠姫…?なんだか脈が……」

「おにいさま……」


ああもう息も絶え絶え……。
でもお兄様の腕の中で死ねるなら本望だわ!!


「おにいさま……、わたし……」
「閑おばたまが来たよー!!」


……ゆっきーっっっ!!!
今いいとこだったのに!!
虫の息になった私は最期の力を振り絞ってお兄様に愛の告白をし、お兄様は冷たくなった私の身体を抱き締めて愛を叫ぶっていう号泣必須のクライマックスシーンだったのに!!
何でこのタイミングでドアを勢いよく開けて入ってくるかな!!
お部屋に入る前はノックしましょうねって習ったよね?ん??
びっくりしちゃったおかげで心臓も蘇生したよ!!


「ほら、珠姫もお兄様もはやくはやくー!」


くっそう、この無邪気さが憎い!!可愛いけど!!!


―3/8―

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