とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode13


「ああ、珠姫、それはね……。……君に言ってもいいのかな…」

「まあ…枢さん、珠姫さんを子供扱いするのは可哀想だわ。彼女は立派なレディですもの。大人の会話にだってわかるはずよ。そうでしょう?」

「教えて!」


更!なんだかあんたがいい人に思えて来たよ!
そうよ!私だって一人前のレディ!(だって中身はピー歳☆)


「ふふふ、あのね珠姫さん、黄梨様には他に好きな方がいらっしゃるの」



更はそれはそれは楽しそうに言いました。
え?どうして?
婚約者に好きな人がいたら悲しいでしょ?
どうしてそんなに瞳を輝かせながら言うの??


「黄梨様はね、菖藤家の依砂也さんをずっと想い続けていらっしゃるのよ」


どうしてそんな恋する瞳で……って、
ぬわぁんですってぇえええ!!??
え?え?私の聞き間違い??
でも確かに言ったよね!?
『黄梨様』が『依砂也さん』を『想い続けて』…!!?
きゃああああああああああ!!!!!!


「けれど依砂也さんは亡くなった奥様を今でも愛していらっしゃるから…。黄梨様はそんな依砂也さんを見守り続けているの」

「更…、その辺にしてくれるかな。珠姫が驚いているよ」


ええ…、ええお兄様驚きますよ
あまりに美味しい話すぎて!!!
まさかのリアルBL!?黄梨×依砂也?いや依砂也×黄梨もアリ??
なにそれやっばい!ハナヂデールになっちゃうわ!!!
更の瞳が恋しているように見えたのは萌えていたのね!
もしかしなくても腐女子ね!!!
どうしよう!これは本気で友達になれそう!!!


パーティーが終わりに近づいた頃、私は周りに誰もいないのを見計らって更にこそっと囁きました。


「ねえ…、さっきの黄梨様と依砂也さんのお話、詳しく聞かせてくれる?」

「まあ、もちろんよ。きっと貴女もこの手の話は好きだと思ったの。殿方は嫌いだけど、殿方同士の恋愛は美しいと思うの」

「まったくもってその通りだわ!改めてお友達になりましょう!


むしろ親友と呼ばせて頂きたい!
まさかこんなところで腐女子仲間に出会えるなんて!
…ん?でも待てよ?
黄梨様が依砂也さんを好きで、更がそれにときめいてる腐女子なのだとしたら、更は黄梨様に恋をしているわけじゃない。
ということは…!?
更がお兄様を狙ってるってことは変わらないじゃない!!


「まあ…!珠姫…!それじゃあお姉様と呼んで頂戴!」

「絶対に嫌!!」


next→あとがき
episode14 9歳:おばたま編
―10/11―

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