とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode13


「枢さんったら酷いわ、こんな愛らしい妹君を今まで紹介してくださらなかったなんて」

「珠姫はまだ小さいからね。君の趣味に染められてしまったら大変だから」

「ふふふ、いやだわ枢さんったら。そんな言い方だと、まるでわたくしの趣味がいけないことみたいじゃない」

「そういうのは個人の自由だから否定する気はないけどね、ただ珠姫には合わないと思って」

「まあ、ふふふ」


にこやかに語り合う二人。
なんですかねぇ?そのやけに親しげな雰囲気は!
お兄様も何なの!?その「君の趣味まで熟知してるよ」発言!!
ん?でもどうしてそれに私が染められたらいけないのかしら?
そういえば更の趣味って何だっけ??
ファンブックにあったのは確かお買物とパーティー通い……
ああ、私がこんなに幼いうちから浪費癖がついたり連日連夜パーティーに耽る事になったら困るってことかな?(もちろん違います)


「君には黄梨殿という婚約者だっているだろう?そろそろ遊びも控えた方がいいんじゃないかな」

「まあ、酷い。遊びなんかじゃないわ。わたくしはいつだって本気よ」


確かに、お買い物は本気だよね!ハンティングだよね!
それについては更に同意するわ!
そしてパーティーも本気!女の戦いよ!
まさに今この瞬間もね!!


「それに…、黄梨様はわたくしを見てはくださらないわ」


あれ?
更の顔が切なげ。
それはまるで……恋する乙女!!


「枢さんもご存じでしょう?」

「それは…まあ…」

「ねえ、お兄様?お話がわからないわ」


つい話に入ってしまった!
だって、もし更が黄梨さんに叶わない恋をしているのなら私が更を厭う必要はないじゃない!
むしろ喜んで応援するよ!
本当にお友達になっちゃうよ!
だって女の子はコイバナが好き!!


―9/11―

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