とある乙女の華麗なる日常 | ナノ
episode12


結局、持って帰って来れたのは食パンと卵三個。
けれどもそれで、お母様はとびきり美味しいフレンチトーストを作ってくれました。
家族みんなでそれを食べながら、現在リビングの巨大スクリーンにて撮り立てのビデオを観賞中。

パン屋の愛想はいいけどちょっと天然なおばさん、粉屋の優しいけど説明が不親切なおじさん、農家の可愛らしいおばあちゃまと女の子。
そしておじたまのサラサラヘアー&サングラス姿も、お兄様の綺麗過ぎる女装も、お母様が殿方三人を延々と叱りつける所も全部ばっちり写ってます!
もちろん最後の遭難のシーンは皆ボロ泣き!


「二人とも…、こんな山奥で…っ、寂しかったでしょう!」

「転んでも泣かなかったんだね、さすがお父様の娘たちだ!」

「珠姫…、僕のことをこんなにも呼んでくれてたなんて…」

「珠姫…っ!一つしかないアンパンを妹にあげるなんて…!うっぅ…。そして優姫っ!ちゃ…ちゃんとアンパンを…半分こして!えらい!えらいぞマイエンジェルズ!!」


って…あれ?

どうしてこの遭難のところもばっちり撮られてるの?
え?まさかあそこにもカメラクルーがいたの!?

それなら助けなさいよー!!


next→あとがき
episode13 8歳:親友編
―10/11―

|
[back]

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -