王妃の日記−番外編− | ナノ


 ◇戯れごともほどほどに−4/4−
枢の言葉に耳を疑う夜間部生達。
枢様がとうとうご乱心なされた。嗚呼、世界はとうとう破滅するんだ。

『枢…、もういいでしょ?』

「そうだね、約束の時間より少し早いけど、ここまででいいよ」

ん?何の話をしているのか。
世界滅亡へのタイムリミットか。

『〜〜〜、もう!あんなことまで言わせて!恥ずかしかったんだから!!』

「でも白亜は"あんなこと"が好きなんだろう?」

『……ばか』

皆の頭上に「?」マークが大量発生する。
彼らは一体何の話をしているのか。

『枢に"大嫌い"なんて言うの、辛かったんだからね…』

「僕は新鮮でドキドキしたよ」

「あの……、枢?白亜ちゃん?一体何の話を?」

さすが一条拓麻。よくぞ聞いてくれた、と、全ての者がその会話に耳をそば立てた。

『……昨日ね、枢とのチェスに負けちゃって。その罰ゲームが、今日一日枢の質問には全部正直に答えることと、"大好き"を"大嫌い"に変えて言わなきゃいけないっていう内容で…』

「え…??」

…わっつ???

『朝だって"僕の背中に向かって叫んで欲しい"なんて言うからあんな大きな声で…。本当に恥ずかしかったんだから』

白亜が枢を軽く睨みつけると枢は肩を竦めて笑って見せた。

「ドラマみたいで憧れていたんだよ。絶対に言われない台詞だしね」

『当り前よ』

夜間部生、総脱力。

「か、枢…どうしてそんな罰ゲームを…」

「ん?恋人が"大嫌い"と言いながら抱きついてくるシチュエーションって、いいと思わないかい?一条」

枢はこれ以上ないというほど素敵に微笑んだ。
確かに、そのシチュエーションはくらりとくるかもしれないが、というか白亜にならどんな状況であれ抱きつかれればときめいてしまうが、せめて周りのみんなを恐怖に脅えさせないように気を遣ってほしい。

「さあ白亜、今日はもう部屋に戻ろうか」
『え?でもまだ授業があるのに…』
「白亜が"大好き"なコトをたくさんしなくちゃいけないからね」

妖艶に囁いた枢は白亜の腰を抱き、さらりと教室を後にした。
この瞬間、夜間部生は心の中で一斉に叫んだ。

このバカップルどもがぁぁあああアアアア!!!!!

−END−
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