◇学園守護係の午前二時−3/3−
「白亜…、これ、ちょっとサイズが…」『うーん、そうね。少しお直しが必要ね』
「ぶっ」
お風呂から上がった零は優姫の格好を見て吹き出した。
「何よー、零っ!」
「…だってお前…、ウエストはぴったりなのに胸はぶかぶかって…」
「わ、私だってそれくらいわかってるもん! う〜〜〜、白亜〜、そんなに細いのに何で胸は大きいの〜?」
私なんて〜、と、優姫は半泣き。
『え…、そ、そんな…。…優姫だってこれからよ!成長期なんだし』
「本当!?」
「優姫、諦めろよ…。どう頑張ったってお前が白亜みたいになれる訳ないだろ」
『〜〜〜!!零のばかー!!」
『……二人とも、その辺にして、そろそろお茶にしましょう』
白亜の笑みが黒くなっていることに気付き、二人は口をつぐんだ。
今日の茶葉はアールグレイ。テーブルの上にはスコーンと数種類のクッキー。
クロテッドクリームとラズベリージャムを添えて。
学園守護係のお茶会が今夜も始まる。
「白亜って街に出ないのに洋服いっぱい持ってるよね」
『ああ、枢が定期的に贈ってくれるのよ。あんなにたくさんはいらないって言ってるのに…』
「枢センパイが…!?…じゃあまさか、全部オートクチュール…?』
「優姫、さすがにそれはないだろ…」
『…?お洋服は仕立ててもらうものじゃないの?』
「「……」」
『え?違うの?』
−END−