王妃の日記−番外編− | ナノ


 ◇学園守護係の午前二時−2/3−
『零、はい、紅茶。ジンジャーティーだけど…』

「サンキュ」

白亜はカウチに、零は肘掛椅子にすっぽりと埋まりながら、静かに紅茶を飲む。
穏やかな沈黙が心地よかった。
ぴりりとした生姜が零の冷えた身体を温める。

「ふぃー、気持ちよかったぁ。零、次いいよー」

「あぁ」

優姫と交替で零は浴室へ。
充分に温まったらしい優姫の頬は、明るいピンク色に染まっていた。
そうだわ、と何か思いついたように白亜は独り言ちた。

「どうしたの?白亜」

『ねえ、優姫。私のなんだけど、絶対優姫に似合うワンピースがあるの。着てみない?』

「え?いいの?やったぁ」

白亜と優姫は早速クローゼットへと向かった。
そこには白亜の洋服がズラリ。

『えーと、どこにあったかな…。そうそう、これよ。はい』

「うわぁ、可愛い!」

『でしょう?』

白いシフォンのそれは、優姫が着るとちょうど膝丈。
二人はリビングにある大きな鏡でその姿を見ることにした。

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